Raspberry Pi 5専用のPCIe拡張基板をオープンソースで自作

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エンジニアのmehrdadfeller氏が、シングルボードコンピューター「Raspberry Pi 5」用のPCIe拡張アダプターを独自設計し、オープンソースとして公開した。同氏は2025年9月4日にRedditで設計経緯を発表した。

同氏によると、類似の製品は現在10ドル以下で広く販売されているが、WiFi信号に干渉を起こす、LED表示機能がない、フレキシブルケーブルがmicroSDカードリーダーを塞ぐといった問題があったという。エンクロージャー全体のシステム設計において、基板の寸法やフレキシブルケーブルの位置・長さをより細かく制御する必要があったため、独自設計に踏み切った。

今回の設計は「PCIe HAB」(Hardware Attached at the Bottom)と呼ばれる形式で、Raspberry Pi 5の底面に装着するタイプとなっている。PCB設計ソフトウェア「KiCad」を使用し、基板に接続するフレキシブルケーブルも含めて設計した。

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高速PCIe規格への初挑戦

同氏は今回が高速PCIe規格の設計初体験だったとし、PCIe規格について多くを学んだと述べている。設計はGeorge Smart(M1GEO)氏の成果にインスパイアされたものだ。Smart氏は公式ドキュメントが発表される前にRaspberry Pi 5のPCIe接続をリバースエンジニアリングしていた。

製造は中国のJLCPCBで行い、基板は完全組み立て状態で提供され、モジュール部分のみを手作業で組み立てる方式を採用している。同氏はこの方式について「スケーラビリティは低いがDIYビルドをより身近で簡単にする」と説明した。

アダプターはブート可能で、Raspberry Pi 5からのブート動作にも対応している。同氏はさらに発展的なプロジェクトとして、1台のRaspberry Pi 5に4台のNVMeストレージを接続する「1対4 PCIeアダプター」の開発にも取り組んでいると明かした。

設計ファイルはGitHubで公開されており、技術ドキュメントとプロジェクトアイデアも含めて利用可能になっている。また、YouTubeチャンネルでKiCadの解説動画も今後投稿予定としている。

関連情報

Raspberry Pi 5用PCIeアダプター GitHub Repository

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FabScene編集部

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