ラズパイで二眼レフ風デジカメを自作、3Dプリンタ製ケースに収めたローライフレックス風カメラ

FabScene(ファブシーン)

Raspberry Pi Zero 2WとGlobal Shutter Cameraを使い、クラシックな二眼レフカメラ「ローライフレックス」のスタイルを再現したデジタルカメラを自作したMakerがいる。

luqtas氏が製作した「dwlfc(Digital Waist-Level Finder Camera)」は、上から覗き込んで撮影するウエストレベルファインダー形式を採用している。1950年代に人気を博したRolleiflexのような撮影体験をデジタルで実現することを目指したプロジェクトだ。

カメラの心臓部にはRaspberry Pi Zero 2Wを採用し、イメージセンサーにはRaspberry Pi Global Shutter Cameraを搭載した。グローバルシャッターは全画素を同時に露光する方式で、動きの速い被写体を撮影してもローリングシャッター特有の歪みが発生しない。レンズにはAliexpressで購入したCマウント35mmレンズを取り付けている。

ファインダーには2.4インチ、320×240ピクセルのTFT液晶ディスプレイを使用した。屋外での視認性を確保するため、3Dプリンタで製作した遮光フードを磁石で取り付けられるようにしている。ただし、晴天の日中は遮光フードを使っても視認が難しく、シャツやセーターで覆って暗室状態を作る必要があると製作者は報告している。

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撮影した画像(画像出典元:Reddit)

電源には18650リチウムイオン電池を3本使用し、ステップアップコンバーターで5Vに昇圧してRaspberry Piに給電する構成だ。製作者の検証では、60fpsのビデオプレビューモードで約5時間の連続駆動を確認した。

ケースの設計には3DCGソフトウェアのBlenderを使用し、FDM方式の3Dプリンターで出力した。製作過程では、カメラリボンケーブルのコネクタを破損させたり、はんだ付け中にADC(アナログ-デジタル変換)チップを壊したりと複数のトラブルに見舞われたが、数カ月にわたる試行錯誤を経て完成にこぎ着けた。ケース表面には自動車バンパー用の下地剤を塗布した後、アクリル塗料で黒く仕上げている。

ソフトウェアはPythonで自作した。Picamera2ライブラリとOpenCVを組み合わせ、写真撮影、動画録画、タイムラプス、音声録音の各モードを実装している。本体側面に配置した9個の物理ボタンで操作し、シングルクリック、ダブルクリック、長押しでそれぞれ異なる機能を割り当てた。露出時間は1/4000秒から約15秒まで、従来のカメラと同様の段階で設定できる。

製作に必要なSTLファイルとPythonコードはGitHubで公開されている。

関連情報

dwlfc – Raspberry Pi Forums

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FabScene編集部