エンジニアあるあるをゲーム化、充電専用ケーブルを挿すと黒ひげが飛び出す「Type-C危機一発」 

「USBケーブルでLEDは光ったのに認識されない」という開発者あるあるをゲーム化したユニークなハードウェアデバイスが話題になっている。その名も「Type-C危機一発」。USB Type-Cケーブルがデータ転送に対応しているかどうかを、誰もが知る「黒ひげ危機一発」の仕組みで判定する装置だ。

このデバイスは、FabSceneの読者投稿フォームから投稿されたもので、開発者である若狹正生氏によると、「ハードウェアデバイスを開発しようとしてType-Cのケーブル接続すると基板上のLEDは光っているのに開発環境からは見つからない。そう、必ずどこからか紛れたか不明な充電しかできないケーブルでつないでしまっていた。その悔しい思いをぶつけてるためにTypeCケーブルで危機一髪ゲームするデバイスを作りました」とコメントしている。

仕組みはシンプル 充電専用ケーブルでアウト

Type-C危機一発の動作原理は分かりやすい。複数のUSB Type-Cケーブルを樽の穴に挿し込み、データ転送に対応していない充電専用ケーブルを挿した場合にソレノイドで黒ひげが射出される仕組みとなっている。開発者にとって厄介な存在である「いつの間にか紛れ込んでいる充電専用ケーブル」を、危機一髪ゲームの要素として活用したアイデアだ。

従来の黒ひげ危機一発では「どこに刺したらアウト」だったが、Type-C危機一発では「何を刺したらアウト」になるかがポイントとなっている。これにより、ケーブルの機能を判別するという実用的な側面も持ち合わせている。

制作時の苦労も明かされる

若狭氏によると、Type-C 危機一発の制作の際には、通信できるケーブルなのにケーブルが刺さりきらないうちに充電専用ケーブルだと判定されてしまったり、端子の加工時に発生した削りムラで接続がうまくいかなかったりといった問題に悩まされたとのこと。USB Type-Cの仕様の複雑さが、このデバイスの開発においても課題となったことがうかがえる。また、黒ひげ危機一発の外装も非常に頑丈で、加工には苦労したという。

なお、このデバイスはProtoPediaで公開されており、制作過程や技術的詳細についても確認できる。

関連情報

Type-C 危機一発(ProtoPedia)

FabScene編集部