スマホのアプリで英単語を学ぶのは便利だが、開いてもすぐ通知に気を取られる。机の上に置いておけば、毎朝見るたびに今日の単語が目に入る——そんな専用デバイスを自作したのが、GitHubユーザー名hyrographic氏だ。氏が公開した「Word Box – Word of the Day」は、ESP32とWaveshare製2.9インチ電子ペーパーを組み合わせ、毎朝Merriam-WebsterのRSSフィードから単語を取得して表示する卓上デバイスだ。GitHubではGPL-3.0で、ファームウェアと3Dプリントケースの3MFファイル一式が公開されている。
ハードウェアの構成は最小限だ。マイコンはESP32 Lite V1.0.0、ディスプレイはWaveshareの白/黒/赤3色対応e-Paperモジュール「epd2in9b V4」。あとはタクトスイッチ1個と5mm LED 1個、それを収める3Dプリントケースで完成する。LEDはその日の暗記チェックを済ませていない時にパルス発光し、リマインドの役割を担う。電源は「翌朝までスリープ」する省電力動作を想定し、e-Paperの特性と合わせてバッテリー駆動にも向く。
機能はシンプルに4つの画面で構成される。デフォルトの「Word of the Day」は毎日午前5時15分に更新する。ボタンの短押しで過去の単語が出る「Recall mode」に入り、答えを表示して「GOT IT」か「FORGOT IT」を記録する。長押しすると「Stats grid」に切り替わり、GitHubのコントリビューショングラフ風グリッドで暗記履歴と連続記録を一望できる。5秒長押しでAPが立ち上がり、Wi-Fi設定の変更や暗記履歴JSONのダウンロード、リセットができる。初期セットアップも「Word Box Setup」というSSIDのAPに繋いで認証情報を入れるだけ、と簡素にまとめた。
実装はC++が約86%、残りはCとHTML、Pythonで、ビルド環境はPlatformIO。記録は「recall_history.jsonl」というJSONLファイルでLittleFS上に保存され、設定画面から丸ごとダウンロードできる。データを自分で持ち出せる構造は、自分のために作る道具らしい振る舞いだ。3Dプリントは3MF形式に加え、開発者本人がスライス設定を試行錯誤したJSONログも同梱され、再現性に配慮した造りになっている。