3Dプリンターのスライサーだけで木目を再現する簡単テクニック

画像出典元:MakerWorld

新しいソフトウェアを導入することなく、3Dプリンターのスライサーだけで立体造形物に木目調のテクスチャを追加する技術がYouTubeチャンネル「Diaz Creative Studio」で公開された。この手法は、ログ(丸太)のSTLモデルとスライサーのモディファイア機能を組み合わせることで、どんな3Dモデルにも木目パターンを適用できるというものだ。

従来、3Dプリンターで木目調の質感を再現するには、特殊な後処理や複雑なモデリング作業が必要だった。しかし、この技術により追加のソフトウェアなしで手軽に木目効果を得られるようになった。

スライサーのモディファイア機能を活用した仕組み

この技術は、3Dモデルをモディファイアとして使用し、プリント対象のオブジェクトとモディファイアが重複する部分で異なるプリント設定を適用する仕組みを利用している。具体的には、ログモデルとの交差部分でフィル(充填)パターンの角度を変更し、ファジースキンモディファイアと組み合わせることで木目調の外観を作り出す。

この技術はBambu Slicerで実行されているが、同様にモディファイア機能をサポートするスライサーでも動作する可能性があるとされている。

実際の使用方法と驚きの効果

使用方法は非常にシンプルだ。まずMakerWorldでPandanのプロファイルから「add wood grain effects to your models」プロジェクトをダウンロードし、「clean wood plate」を選択してBamboo Studioで開く。

次に、プロジェクト内のプレート部分を右クリックして「replace with STL」を選択し、木目効果を適用したいモデルファイルと置き換える。その後、ログとオブジェクトが重複するように位置を調整し、スライスを実行するだけで木目パターンが生成される。

木目の方向が気に入らない場合は、モディファイアを回転させることで木目の向きを調整することも可能だという。

実際にプリントした結果について、プリンター直後の状態でも微細な木目テクスチャが驚くほど説得力のある仕上がりになったと報告されている。また、モディファイアのスケールを調整することで木目の細かさをコントロールでき、さまざまなモデルに適用できることも実証された。

木材粒子を混ぜたPLA素材(ウッドフィラメント)と組み合わせれば、さらに優れた木目調の外観が得られるとされており、素材との相乗効果も期待できる。

関連情報

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Add Wood Grain Effects to Your Models – Using a Small Plate as an Example – MakerWorld

FabScene編集部