Bambu Lab、大型3Dプリンター「H2S」発売 年内にはワイヤレス熱交換の「H2C」も

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中国の3Dプリンターメーカー、Bambu Labは2025年8月、シングルノズル3Dプリンター「H2S」を発売した。同製品は同社最大の造形サイズ340×320×340mmを持ち、人気機種X1Cの220%の造形容積を実現している。また同社は年内に革新的なワイヤレス熱交換技術を採用した「H2C」の発売も予告している。

H2Sは最高1000mm/sのツールヘッド速度と20000mm/s²の加速度性能により、X1Cより最大30%高速な造形を可能にする。350℃対応のホットエンドと65℃のアクティブ加熱チャンバーを搭載し、PLAから炭素繊維強化フィラメントまで幅広い材料に対応する。

同機では23個のセンサーと3つのオンボードカメラによる包括的な監視システムを搭載し、問題を事前に検出して夜間の無人運転を可能にする。独自のPMSM(永久磁石同期モータ)システムにより従来の67%増しの押し出し力を実現し、20kHzの電流フィードバックループによる高精度制御を行う。

ワイヤレス技術でノズル交換を自動化

2025年末発売予定のH2Cは、3年間の研究開発を経て開発されたワイヤレス熱交換技術が特徴となる。従来のマルチカラー3Dプリンターはノズル清掃のために大量の材料を無駄にする「プープ」と呼ばれる現象が課題だったが、H2Cは複数のノズルを自動交換することでこの問題を解決する。

同社は機械的な接続を廃止し、誘導加熱とワイヤレス通信により、ホットエンド組み立て体をノズル、ヒートブレイク、サーミスタ、小型PCBの4部品のみに簡素化した。重量10g、サイズ20×15×56mmのコンパクトな設計で、マイクロメートル精度での自動ノズル交換を実現している。

H2Dからの H2C へのアップグレードは技術的に可能だが、数時間の作業時間と技術的スキルが必要で、初心者には推奨されていない。

H2Sは3つの構成で販売されており、基本モデルが1249ドル(約18万4000円)で10月から、AMS 2 Pro搭載モデルが1499ドル(約22万1000円)、レーザー加工機能付きフルコンボモデルが2099ドル(約31万円)でそれぞれ即納可能となっている。ただし、日本国内では代理店経由での販売が主となるため、価格は左記と異なる可能性がある。

関連情報

Bambu Lab H2Sページ

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FabScene編集部