米Chaos Audio、アンプとオーディオインターフェースを一体化した「Nimbus」を発表

FabScene(ファブシーン)

米Chaos Audioは、音楽制作機器「Nimbus」をKickstarterで発表した。ギターアンプとオーディオインターフェース、エフェクター、ルーパーの機能を1台に統合した製品で、70Wステレオ出力、2系統のXLR入力、プラグイン対応などを特徴とする。

従来のギタリストやミュージシャンは、アンプ、オーディオインターフェース、エフェクター、ルーパーといった複数の機器を組み合わせて使用する必要があったが、Nimbusはこれらの機能を1台に集約した。練習、レコーディング、ライブ演奏に対応する。

主要な仕様として、70W RMSのステレオ出力(ピーク時105W)を備え、PowerBass製の4インチS-4002スピーカー2基と専用ツイーターを搭載する。周波数特性は20Hzから20kHzをカバーする。

入力端子は、XLRと1/4インチのコンボ端子を2系統装備し、ギターとマイクを同時に接続できる。USB-Cポートを介して2in/2outのオーディオインターフェースとして機能し、24ビット/44.1kHzの音質でMacとWindowsに対応する。内蔵ルーパーは最大5分間の録音に対応する。

出力端子は、1/4インチTSライン出力を2系統(ステレオまたはデュアルモノ)、3.5mmヘッドフォン出力、3.5mm AUX入力を備える。Bluetooth 5.0によるオーディオストリーミングとBLEによるアプリ制御に対応し、ワイヤレスでのトラック再生や設定変更ができる。

処理系には、1GHzのARM Cortexプロセッサーとリアルタイム対応のLinux OS(Xenomai)を搭載し、64GBのストレージを内蔵する。オーディオ処理のレイテンシーは3ms以下に抑えられている。

ソフトウェア面では、Chaos Audio純正のエフェクト20種類以上とアンプモデル25種類以上を標準で搭載する。オープンプラットフォーム設計により、ChowDSP、Shnobel Tone、Manic FXなどのサードパーティ製プラグインに対応するほか、ユーザーがFAUSTやC++で作成した独自プラグインの読み込みにも対応する。

AI機能として、AIDA-Xによるニューラルアンプモデリングに対応しており、実際のアンプ音を学習させた音色データを使用できる。Neural Amp Modelerとの互換性についても検討中としている。インパルスレスポンスは最大10個まで保存でき、256、512、1024サンプル長から選択できる。

操作系として、マルチノブ、音楽用ボリューム、楽器用ボリュームのコントロールと、プリセット表示用の7つのRGB LEDを配置する。モバイルアプリ(iOS/Android)とWebアプリ(nimbus.local経由)で設定でき、MIDIコントローラーを接続したライブ演奏にも対応する。

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画像出典元:KickStarter

本体サイズは約幅35cm×高さ22cm×奥行き18cmで、重量は約5.4kgを目標としている。Wi-Fi機能は搭載されているが、初期状態では無効化されており、製品ローンチ後のOTAアップデートで有効化される予定だ。

配送料は、米国内が25ドル(約3800円)、国際配送が80ドル(約1万2000円)に設定されている。国際配送の場合、関税と税金は購入者負担となる。出荷は2026年第1四半期から第2四半期を予定している。製品には製造上の欠陥を対象とした1年間の保証が付帯する。

Chaos Audioは2022年にギターペダル「Stratus」をKickstarterで発表し、13万ドル(約2000万円)以上を調達、1500台以上を出荷した実績がある。

関連情報

製品ページ(Kickstarter)

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