犬型ロボットや自動で砂絵を描くテーブルも 米大学生がラズパイPico制作事例40連発

アメリカのコーネル大学で電気・コンピュータ工学を学ぶ学生らが、Raspberry Pi Picoを使用した40のプロジェクトを今学期に完成させた事例を、Raspberry Pi財団が公式サイトで紹介している。四足歩行ロボット「Cucumber」やシーシュポス神話からインスピレーションを得た自動で砂絵を描くテーブルなど、ユニークな作品が多数誕生したようだ。

これらのプロジェクトは、同大学のHunter Adams講師が担当する「マイコンを使用したデジタルシステム設計」コースの課題として制作された。Hunter講師はRP2040チップを中心とした授業カリキュラムを構築し、学生たちが小グループでデジタルシステムの設計、デバッグ、構築を行っている。

注目プロジェクト:ロボット犬と自動砂絵テーブル

学生たちの作品の中でも特に注目を集めているのが、Wi-Fi制御の四足歩行ロボット「Cucumber」だ。このロボット犬は飼い主の後を追いかけ、命令に応じてポーズを取り、吠えることもできる。ヨガのダウンドッグポーズも、多くのヨガインストラクターより上手に決めるという。

もう1つの印象的な作品が、シーシュポス神話からインスピレーションを得た自動で砂絵を描くテーブルだ。家具というよりも動的彫刻に近いこの作品は、テーブル表面の下にある磁気システムを使って鋼球を砂の中で動かし、複雑な模様を描き出す。この作品は、砂絵アート作品で知られるアメリカ企業の作品を思い起こさせるとRaspberry Pi財団は評価している。

充実した教育コンテンツを公開

Hunter講師は毎年学生たちの革新的な作品を紹介しており、今回の40プロジェクトすべてのデモ動画をYouTubeプレイリストで公開している。各プロジェクトの詳細な制作過程を知りたい場合は、専用Webページでも確認できる。

また、Hunter講師は授業で使用している全講義内容もアップデートし、コーネル大学での学習体験を味わいたい人向けに公開している。これらの講義はコース開始時から大幅に拡張されており、現在はRaspberry Pi Pico Wのコンテンツも含んでいる。Bluetoothサーバーの作成、Wi-Fi接続、UDP通信などの実践的な内容に加え、RP2040のブート手順やブートローダーの書き方といった低レベルな技術、FFTや物理モデリングなどの興味深いアルゴリズムも扱っている。

コーネル大学の電気・コンピュータ工学コースでは、小グループでの実習が中心となっており、学生たちはRP2040ベースのRaspberry Pi Picoマイコンを使用してデジタルシステムを設計、デバッグ、構築している。Raspberry Pi財団は、Hunter講師とは長年の友人関係を築いており、毎年コーネル大学の電気工学科学生たちが生み出すRaspberry Piを活用した創作物を楽しみにしているという。

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FabScene編集部