
中国の大手3DプリンターメーカーCrealityは、3Dプリント廃材をフィラメントに再生するデスクトップ向けシステム「Shredder R1」と「Filament Maker M1」を発表した。近日中にクラウドファンディングで先行予約を開始する予定だ。
3Dプリントは試作や製造に有効な手法だが、廃材の発生は避けられない課題だ。オーバーハング部分を支えるサポート材は造形後に除去されて廃棄される。試作を繰り返す過程では、設計変更前の造形物や失敗したプリントも廃材となる。プリンター起動時の捨て出しや、フィラメント交換時に排出される端材も無視できない。
従来、これらの廃材は廃棄するか、専門業者に回収を依頼するしかなかった。しかし個人のMakerや小規模な工房では、廃材を集めて業者に送るのは手間がかかる。そのため多くの場合、廃材はそのまま廃棄されている。
今回発表された2機種は、これらの廃材を再利用可能なフィラメントに戻すクローズドループシステムを構成する。Crealityは「フィラメントは買って捨てるものではなく、自分でコントロールするものになる」としている。
Shredder R1は、廃棄フィラメントをドライクラッシュ方式で粉砕し、4mm以下のペレットに加工する装置だ。このペレットをFilament Maker M1に投入すると、フィラメントとして再成形される。Filament Maker M1の製造速度は最大1kg/時で、標準的な1kgスプール1本分を1時間で製造できる計算だ。
両機種ともPLA、ABS、PETG、ASA、PA、PC、TPU、PETの8種類の素材に対応する。Filament Maker M1は香料や自然素材フィルなどの添加剤にも対応し、強度向上や香り付けが可能だ。単一スプール内でマルチカラーグラデーションを作成する機能も備える。異なる色の廃材を混ぜることで、独自のカラーバリエーションを作り出せる。

フィラメントの精度は、未使用ペレットを使用した場合で±0.05mm、リサイクルペレットを使用した場合で±0.1mmだという。一般的な3Dプリンター用フィラメントの許容誤差は±0.05〜0.1mm程度なので、リサイクルフィラメントでも実用上問題ない精度を確保している。
両機種はデスクトップサイズで、3Dプリンターと並べて使用できる設計だ。これにより、3Dプリント、廃材回収、フィラメント再生という一連の工程を、同じ作業スペースで完結できる。
フィラメントのリサイクルは、コスト削減と環境負荷低減の両面でメリットがある。市販のフィラメントを購入し続けるのに比べ、廃材を再利用することで材料費を抑えられる。また、プラスチック廃棄物を削減できるため、環境への配慮にもつながる。
価格や具体的な発売時期は未発表。詳細はクラウドファンディング開始時に明らかになる見込みだ。

