
米国防総省の国防イノベーションユニット(DIU)とオーストラリアのHypersonix Launch Systemsが、3Dプリントで製造したスクラムジェット搭載の極超音速飛行試験機「DART AE」の初飛行に成功した。2026年2月27日にNASAのワロップス飛行施設から打ち上げた。
ミッション名は「Cassowary Vex」で、Rocket Labの準軌道ロケット「HASTE」がDART AEをマッハ5まで加速したのち、機体が分離してSPARTANスクラムジェットエンジンに点火し、マッハ5超の極超音速巡航に入った。推進系、飛行軌道、機体性能のデータをリアルタイムで取得した。目標性能はマッハ7、航続距離1000kmで、エンジンの複数回の停止・再始動も試験項目に含まれている。
DART AEは全長約3.5mの使い捨て技術実証機だ。特長は機体構造のすべてを高温合金のアディティブマニュファクチャリング(3Dプリント)で製造した点で、極超音速飛行プラットフォームとしては世界初だという。燃料はガス状の水素で、SPARTANエンジンは可動部品がなく、CO2を排出しない。Hypersonixの共同創業者Michael Smart氏は元クイーンズランド大学教授で、元NASAの研究者でもある。

この飛行試験はDIUのHyCAT(Hypersonic and High-Cadence Airborne Testing Capabilities)プログラムの一環として実施された。HyCATは2023年初頭に立ち上げた事業で、民間企業の技術を活用して極超音速技術の飛行試験コストを下げ、試験頻度を上げることを目的とする。2023年3月にHypersonixやFenix Spaceなどにプロトタイプ契約を発注しており、今回が民間開発のテストベッドを使った初の飛行試験となった。
DIUは2025年11月にもRocket LabのHASTEを使いミサイル防衛庁との共同ミッション「Prometheus Run」を実施しており、3か月間で2回の極超音速試験を達成した。HASTEはRocket LabのElectronロケットを準軌道飛行向けに改修したもので、今回で7回目の打ち上げとなり、成功率100%を維持している。

