
ExtraBoldは、廃プラスチックの粉砕材をペレット化せずに直接投入して3Dプリントできる新機能「DirectFeed」システムを発表した。従来必要だったペレット化工程を省略することで、コストと時間を削減し、材料の劣化も抑制できる。同社の大型3Dプリンター「EXF-12」と協働ロボット型3Dプリンター「REX-BUTLER」向けの後付けオプションとして、2025年内の発売を予定している。
一般的な3Dプリンターでは、廃プラスチックを再利用する際に一度ペレット状に加工する必要があった。DirectFeedシステムでは、この工程を省略して粉砕材のまま直接投入できるため、再加熱による材料劣化を防げる。ただし、粒度による制約があり、単一材料に限定される。
独自技術で粉砕材の課題を解決
粉砕材を3Dプリンターで使用する際の最大の課題は、材料の「詰まり」や不均一性だった。DirectFeedシステムでは、これらの問題を解消する独自機構を搭載している。専用シリンダーと高精度センサー群により、粉砕材でも安定した押し出しと造形品質を実現した。
同社が公開したテスト結果では、リサイクルしたポリスチレンとエラストマーの混合材料でスツールを造形したほか、植物由来のバイオエンジニアリングプラスチック「DURABIO」(三菱ケミカル製)を使用して透明度を保ちながら滑らかで精度の高い造形を実現している。
既存のEXF-12とREX-BUTLERユーザーも有償オプションとして導入可能で、まずは既存顧客からトライアルを実施する予定だ。価格は未定となっている。