
早稲田大学ロボット研究室発のスタートアップ企業Genicsは、口にくわえるだけで自動的に歯磨きができるロボット歯ブラシ「g.eN(ジェン)」の量産化に向け、2025年12月2日よりクラウドファンディングプラットフォーム「Kibidango」でプロジェクトを開始した。
複数のブラシが歯列に沿って自動で移動・回転


g.eNは、歯磨きに理想的な角度に設定された複数のブラシが小型電動モーターで駆動し、歯列に沿って上下左右に自動で動く仕組みを採用している。ブラシは歯の頬側と舌側の両面に同時に当たるよう設計されており、手を動かすことなく歯磨きが完了する。
2022年の日本ヘルスケア歯科学会で発表された研究論文では、g.eNによる歯垢残存率は平均22.4%と報告され、口腔衛生状態として良好とされる基準を満たすことが実証された。マウスピース型電動歯ブラシとは異なり、複数のブラシが歯をなぞるように移動・回転しながら歯垢を除去する技術で、特許を2件取得している。
開発は2015年に同社代表の栄田源氏が早稲田大学大学院生時代に着想したアイデアに端を発する。JST(科学技術振興機構)の大学発新産業創出プログラムに採択され、2017年より本格的な研究開発を開始。2018年の会社設立後、2019年には世界最大級の家電見本市「CES 2019」で初披露した。初期モデルは累計200台以上が医療機関などで活用されている。
今回の新モデルでは、一般的な洗面台の収納エリアに収まるサイズへの小型化・軽量化を実現。量産体制の確立により、市販の電動歯ブラシ上位モデルとほぼ同等の価格帯となった。早期支援プランは3万1042円(2025年12月31日まで)、通常のクラウドファンディング特別プランは3万2868円。クラウドファンディング終了後、2026年中に一般量販店での販売開始を予定している。

