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韓国の漢陽大が触れる前に反応する電子皮膚を開発、0.5mm手前で物体を検知

韓国の漢陽大学校ERICAキャンパスの研究チームが、触れる前から物体の接近を捉える電子皮膚用のトランジスタを開発した。表面のゴム層が帯電する現象を信号源に使い、下に重ねたトランジスタで増幅する。10×10の画素を並べた試作では、指が触れた位置を画素ごとに読み取れたほか、金属の探針が0.5mm手前まで近づいた段階で反応した。感度は電圧の設定で後から変えられる。

触覚センサーの電源をどう確保するかは、ウェアラブル機器やロボットの設計でつきまとう問題だ。そこで注目されてきたのが、摩擦で生じる静電気を信号に変える摩擦帯電ナノ発電機である。下敷きで髪をこすると帯電する現象と同じ原理で、押されたりこすられたりした機械的な刺激が、そのまま電荷の偏りとして現れる。外部から電力を供給しなくても刺激を検出できる。

ただし、この方式を使った従来の素子には2つの弱点があった。感度が素子の作りで決まってしまい後から調整できないことと、画素を細かく並べて大きな面にするのが難しいことだ。研究チームはこれを、トランジスタのゲートを上下2つ持つ構造で解いた。

素子は3層を縦に積む。いちばん上がシリコーンゴムのPDMSで、ここが摩擦で帯電する層であり、同時に上側のゲートとして働く。その下に絶縁膜を挟み、いちばん下に酸化物半導体ITZOの薄膜トランジスタを置く。使い始めにステンレス板をPDMSの表面へ一度接触させて電荷をためると、板が離れたときに生じる電位が上側のゲート電圧として効き、トランジスタに流れる電流を絞る。そこへ帯電した板や別の物体が近づくと電位が下がり、電流が戻る。電流の増減がそのまま接触と接近の信号になる。

下側のゲートは、電流の基準値を決める役目を負う。下側の電圧を高くするほど感度が上がるため、同じ素子のまま用途に応じて感じ方を調整できる。押す力を強めると、PDMSと相手の実効的な接触面積が広がって電荷が増え、応答も大きくなった。応答にかかる時間は127ミリ秒、元に戻るまでは212ミリ秒で、1000回の接触と分離を繰り返しても目立った劣化は出ていない。

Jaekyun Kim准教授は、上下2つのゲートを縦に積む構造なら、ゲートで応答を増幅できるうえに画素が占める面積も小さく抑えられるため、高い密度で大きな面に集積できるとしている。想定する用途にはロボットや義肢、ウェアラブル機器を挙げ、触覚と圧力、接近をより細かく捉えられるようになれば、人と機械が接する場面の安全性が上がると述べる。成果は学術誌Nano Energyの第153巻に掲載された。オンラインでの公開は2026年4月9日である。

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FabScene編集部

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