ラズパイ遠隔アクセス「Connect for Organisations」監査ログ機能を強化 国別アクセス追跡も可能に

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Raspberry Pi 財団は2025年8月1日、組織向けリモートアクセスサービス「Raspberry Pi Connect for Organisations」の監査ログ機能を改善したと発表した。過去90日間のアクセス履歴を詳細に確認でき、不正アクセスの検知がより容易になる。

国別アクセス追跡とCSVエクスポート機能を追加

Raspberry Pi Connectは、画面共有とリモートシェルを通じて、どこからでもRaspberry Piデバイスにアクセスできるサービスだ。組織向けバージョンでは、無制限のユーザーにアクセス権限を付与できる。

今回の改善により、管理者は過去90日間のすべてのアクティビティを確認可能になった。監査ログには画面共有セッション、リモートシェルセッション、アクセストークンの作成、デバイスの追加と削除、ユーザーとその役割の変更などが記録される。最新のイベントから順に表示され、セキュリティ監視が効率化される。

新機能として、IPアドレスから国コードを特定する国別トラッキング機能が追加された。プライバシー保護のため、保存されるのは国コードのみだ。この情報はWebインターフェースとCSVエクスポートの両方に含まれ、予期しない国からのアクセスを容易に発見できる。

管理者は監査ログ全体をCSVファイルとしてダウンロードし、任意のスプレッドシートソフトウェアで詳細な分析が可能だ。組織を削除する際にもログのダウンロードが促され、記録を保存できる。

エクスポートしなくても、アクション別にフィルタリングする機能が追加された。「Screen sharing session started」や「Invite accepted」など、特定のアクションに絞って表示できる。

これらの新機能により、チームメンバーから異常なアクティビティの報告があった場合のセキュリティ調査が容易になる。関連するアクションのみをフィルタリングし、予期しない国からのイベントがないか確認し、詳細なタイムラインをセキュリティチームにエクスポートするという一連の作業が可能だ。

既存ユーザーは即座に利用可能

改善された監査ログ機能は、既存のConnect for Organisationsユーザーに対して即座に利用可能となっている。新規ユーザーは4週間の無料トライアルを開始でき、無制限のユーザーとデバイスのリモートアクセスを共有できる。料金は登録デバイスのピーク数に基づいて設定される。

Raspberry Pi Connectは個人向けの無料版も提供されているが、組織向けバージョンでは複数ユーザーの管理機能や今回追加された高度な監査機能など、企業や教育機関での利用に適した機能が提供されている。

関連情報

Raspberry Pi財団ニュースリリース

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