
インド工科大学ガンディーナガール校(IITGN)の研究グループは、腱で駆動する軟性連続体ロボット(TDCR:Tendon-Driven Continuum Robot)の制御を大幅に簡素化する新手法「仮想アクチュエーション空間(VAS)制御」を開発した。論文は2026年2月27日付で国際学術誌「Robotica」にオンライン掲載された。
TDCRは関節を持たず、複数の腱を引っ張ることで蛇のように曲げながら動く柔軟なロボットだ。手術や狭隘空間での点検など、剛体アームが入れない場所での作業に適している。しかしその制御は難題が多い。複数セクションがある場合、1本の腱を動かすと別のセクションにも影響が及び、目標の形状に必要な腱の組み合わせを求めるのは計算が重い。
研究グループが提案するVASは、各セクションの動きを「方向」と「大きさ」という2つのパラメータだけで表現する仮想空間を導入する。これにより複雑な腱の相互干渉を一般化された腱マッピング行列で切り離し、各セクションを独立して制御できるようにする。
実証実験では6モーター・2セクション構成のロボットアームを製作し、LEDマーカーとモーションキャプチャシステムで位置を計測した。五角形・螺旋・曲線などの経路追従を試みた結果、位置誤差のRMS値はロボット全長の1%未満(3mm以下)を達成した。片方のセクションが曲がりながらもう片方は静止するという、独立した動作も確認された。
研究グループはより多くのセクションを持つ複雑なシステムへの適用も可能だとしており、低侵襲手術・産業自動化・航空エンジン内部などの狭隘空間での点検といった用途を挙げている。

