
CQ出版のコンピューター・サイエンス専門誌Interface 2026年5月号が2026年3月25日に発売された。定価1,430円(税込)。今号の特集テーマは「Linuxとハードウェア」で、SoCのしくみからデバイスドライバの作り方まで、ソフトウェアとハードウェアの境界を体系的に解説している。別冊付録として「BitBakeガイドブック ~Yocto ProjectのLinuxビルド・ツール~」が付属する。
特集は4部構成だ。第1部「SoCのハードウェアを理解する」では、データシートだけでは分からないSoCの選び方(實吉智裕氏)、内蔵ペリフェラルとI/Oピンの基礎(海老原祐太郎氏)、レジスタを通じたデバイスドライバとハードウェアの関係(永原柊氏)、Arm系i.MX95とRISC-V系Freedom U740を例に今どきSoCの内部構成を解説する章(中森章氏)で構成される。
第2部「Linuxの全体像とハードウェア抽象化」では、電源投入からアプリケーション起動までの起動シーケンス解説に加え、Linuxカーネルのハードウェア抽象化の思想・哲学を掘り下げる(古関哲久氏)。第3部「作りながら学ぶ!Linuxのデバイスドライバ」では、ラズパイ5でLEDを100ms周期でON/OFFする制御を「GPIOのsysfs(レガシ)」「libgpiod」「自作デバイスドライバ」の3方式で実装し、CPU負荷をかけたときの点滅精度の違いを実測比較している(二木健斗氏)。第4部はパワーマネジメント(i.MX 93のサスペンドモード)、ブートローダに向くシリアルNORフラッシュメモリ(書き換え10万回・保持10年)、CPUキャッシュミス率の計測手法など実務的なTipsを扱う。
連載陣ではラズパイ関連が充実している。「ラズパイの限界に挑戦!ローカルLLM動作検証レポート」第4回は、ラズパイ5上で自作したRAG(Retrieval-Augmented Generation)の動作確認編で、埋め込みモデル「gte-multilingual-base」・ベクトル検索ライブラリ「hnswlib」・SQLiteの3層構成でラズパイ5が知識補完付きLLMとして機能するかを検証している(澁谷慎太郎氏)。
ESP32連載「Wi-Fi電波で侵入検知!AIエッジデバイスの開発」最終回では、1D-CNNベースの深層学習モデルをESP32-DevKitC-32Eに実装し、ビニールハウスに侵入した人物の「識別」まで踏み込んだ実験結果を報告している(小池誠氏)。
ニュースレポートとして注目されるのが、NVIDIAのJetson AGX Thor開発キット試用記(古賀直樹氏)だ。BlackwellアーキテクチャのGPU(2560 CUDAコア)と128GBメモリ(273GB/s帯域)を搭載し、FP4スパース演算で最大2070TFLOPSを実現する。Jetson AGX Orin比でAI演算性能7.5倍・エネルギー効率3.5倍とされており、ローカルLLMをエッジで動かすことを想定した設計だという。
新連載「エンジニア向けDocker活用術」第1回は、ラズパイ5を2台使い、Dockerコンテナ・HAProxy・Keepalivedで冗長化サーバを構築する手順を解説する(山田英伸氏)。

