空気から水とコーヒーを生成、KaraWater「Kara Pod」が特許技術でカウンタートップ型実現コピー公開

KaraWaterは空気から飲料水とコーヒーを生成するカウンタートップ型デバイス「Kara Pod」をKickstarterで発表した。特許取得済みの「AirDrive」技術により空気中の水分を捕集し、3段階の濾過・殺菌システムを経てミネラル豊富な飲料水を1日最大13カップ製造できる。コーヒーメーカー機能も内蔵し、生成した純水でコーヒーも抽出する。

空気から水を生成する技術は、砂漠に住むナミブカブトムシが空気中の水分を捕集する生体メカニズムからヒントを得て開発された。KaraWaterは2022年にTIME誌のベスト発明賞を受賞した「Kara Pure」で既に実績を持ち、今回のKara Podはその技術をカウンタートップサイズに小型化した製品だ。

本体サイズは約38×23×36cm、重量約5.8kgのコンパクト設計で、設置工事は不要。電源を接続するだけで稼働し、Wi-Fi対応のタッチスクリーンで操作できる。水の貯蔵容量は3.2Lで、消費電力は通常270W、エコモード時190Wとなっている。

UV殺菌と炭素フィルターで高純度の水を生成

Kara Podの水生成プロセスは、まず周囲の空気から水分を捕集し、加熱によって微生物を除去する。次にUV光による殺菌処理を経て、高性能炭素フィルターで塩素やPFASなどの化学汚染物質を除去する。最終段階でカルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの必須ミネラルを添加し、健康的な飲料水に仕上げる。

従来のペットボトル水や水道水に頼らず、空気から直接水を生成することで、プラスチック廃棄物を削減し、水質への不安も解消できる。同社によると、平均的な家庭では年間1000ドル以上をペットボトル水に費やし、300本以上のプラスチックボトルを消費しているという。

コーヒー機能では、専用のKaraコーヒーポッドのほか、オリジナルNespressoポッドやティーポッドにも対応している。飲料水用とコーヒー用で別々のノズルを設けており、味の混合を防いでいる。

空気中の水分を捕集する際には、同時にほこりやアレルゲン、空中浮遊粒子も除去するため、室内の空気清浄効果も期待できる。水分生成による除湿効果は平均1〜5%の相対湿度低下程度で、ほとんど体感できないレベルという。

Super Early Bird価格は399ドル(約5万8000円)で、追加フィルターセット付きプランも用意されている。製品には1年保証が付帯し、10月の配送開始を予定している。

関連情報

Kara Pod(Kickstarter)

FabScene編集部