
米MakaGiC Intelligentが、3D空間測定機能を搭載したハンドヘルドレーザー測定器「MakaGiC L7」のクラウドファンディングキャンペーンをKickstarterで開始した。従来のレーザー測定器が壁や床との直線距離しか測れないのに対し、L7は高精度IMU(慣性計測装置)センサーとレーザー測定技術を組み合わせることで、空間内の任意の2点間の距離を測定できる。
MakaGiC L7の最大の特徴は、同社が開発した「OMNI DIMENSION 1.0」アルゴリズムだ。このアルゴリズムは、高精度な角度センシング技術と高周波レーザー測定技術を組み合わせることで、複雑な空間環境における多様なデータの高精度測定を可能にしている。これにより、天井の窓の幅や、手の届かない場所の寸法を、その場に立ったまま測定できる。従来の測定器では困難だった片持ち梁の長さや基礎ピットの幅なども、容易に測定可能だ。
L7は空間測定のほか、Z軸測定、座標測定、リアルタイム測定、回転速度計、水準器、傾斜計、単点測定、幾何学測定の合計9つの測定モードを搭載する。Z軸測定モードでは、重力方向に沿った2点間の垂直距離を測定でき、測定線の角度に関係なく真の高度差を算出する。座標測定モードでは、レーザーを使用せずにIMUデータのみで空間変位差を測定する。透明なガラス製品など、レーザーが透過してしまう対象物の測定に有効だ。
リアルタイム測定モードでは、最大40Hzの高周波レーザー測定ユニットにより、1mm単位で長さを制御できる。木材のカットや壁への線引きなど、精密な長さ管理が求められる作業に適している。回転速度計モードでは、電動ノコギリ、電動ドリル、ファン、エンジンクランクシャフトなどの回転速度を最大5m離れた場所から測定可能だ。
本体には強力なN52ネオジム磁石を2個搭載し、金属面に固定して使用できる。1.3インチのカラースクリーンを備え、重力感知による回転UIにより、どの角度からでも正確な傾斜読み取りが可能だ。測定範囲は0.05mから約30.5m(100フィート)で、精度は±2mm(±1/16フィート)。本体サイズは約117×78×37mm、重量は185g。充電は5V 1.5Aのリチウムイオンバッテリーを使用する。
MakaGiC Intelligentは、研究開発のバックグラウンドを持つDIY愛好家グループによって設立された。同社は2024年に前作の「MakaGiC VS01」プロジェクトを成功裏に完了した実績を持つ。L7は2024年6月にプロジェクトを開始し、2025年8月に小ロット生産の段階に入っている。
Kickstarterでの早期割引価格は99ドル(約1万4000円)から。量産は2025年11月に開始予定で、製品の出荷は2026年2月を予定している。オプションとして、三脚に取り付け可能な1/4インチ-20 UNCネジ規格のシャープコーナー測定モジュールも用意される。

