
英MakerTilesは、PCとRaspberry Piに対応したモジュラー電子工作キット「MakerTiles」をKickstarterで発表した。ブロックのようにスナップで接続する電子モジュールで、配線やドライバー設定が不要、Pythonでコーディングできる。
MakerTilesは、LED、モーター、画面、センサーなどの電子部品をタイル状のモジュールにし、スナップで接続して使用できる製品だ。配線やドライバー設定なしで、ノートPCまたはRaspberry PiからPythonでプログラミングできる。
従来のモジュラーシステムでは、GPIOピン、ドライバー、セットアップ作業が必要だったが、MakerTilesはこれらを不要にした。タイルを接続すると自動検出され、すぐにPython APIでコーディングして実行できる。
キットには2種類がある。スターターキットには7種類のタイル(USB、画面、LEDグリッド、スピーカー、ボタン、ダイヤル、センサ)とケーブル5本が含まれる。アドバンスドキットには11種類全てのタイル(スターターキットの内容に加えてジョイスティック、距離センサ、LEDストリップ、モーター)とケーブル10本が含まれる。
センサタイルには4種類のセンサーが統合されている。加速度センサー(傾き、揺れ、歩数に反応)、光・色センサー(明るさ測定や色識別)、温度センサー(室温測定)、マイクロフォン(音検知、ノイズレベル測定、音声録音)を1つのタイルで利用できる。
通信は2.5Mbpsのバス速度で、レイテンシーは10ms未満だ。タイルは端同士でスナップ接続するか、フラットケーブルで接続できる。ケースに収めた状態で使用するほか、基板を取り出してカスタムエンクロージャーに直接取り付けることも可能だ。
Raspberry Piとの接続はUSB経由で行うため、GPIO ピンは空いたままになる。HATの追加やカスタムセンサーの接続など、Raspberry Piエコシステムと組み合わせて使用できる。
3Dプリントとの組み合わせも想定されている。エンクロージャーを正確にフィットするよう印刷したり、コントロール部品を好きな位置に配置したり、センサーやスピーカーをデザイン内に隠したり、モーターやサーボを追加して動きをつけたりできる。
開発者はロボットアーム、ポモドーロタイマー、スネークゲーム、インタラクティブ照明、ミニエッチ・ア・スケッチなど、さまざまな用途例を紹介している。

Pythonソフトウェアはオープンソースとして公開される予定だ。既製の例が多数用意されており、コーディング初心者でもすぐに動作を確認しながら調整できる。
製造スケジュールは、最初の1〜2カ月でPCB、ファームウェア、ケース設計を最終化し、3〜4カ月目にパイロットバッチを製造してCE/FCC/UKCA認証テストを実施、5〜6カ月目にパッケージング、クイックスタートガイド作成、大量注文を行い、6カ月目以降に品質チェックを経て出荷する計画だ。
将来的には、バッテリータイル、コンパクトコントローラーモジュール、ワイヤレス接続モジュール、高出力ドライバー(12V/6A)、拡張コンポーネント(IMU、空気品質センサー、ステッピングモーター、E-inkディスプレイ、GPSモジュール、リレーなど)の開発を検討しているという。
配送料は全対応国一律10ポンド(約1900円)で、配送料、関税、税金を含む設定だ。
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