MeatPi Electronics、LTE・GPS搭載のIoTモジュール「ESPNetLink」をCrowd Supplyで発表

FabScene(ファブシーン)

オーストラリアのMeatPi Electronicsが、LTEとGPSを搭載したIoTモジュール「ESPNetLink」のクラウドファンディングをCrowd Supplyで開始した。ESP32-S3を搭載し、車両追跡やIoTゲートウェイとして機能する。同社の車載CANバスツール「WiCAN Pro」と組み合わせることで、WireGuard VPN経由でHome Assistantへの安全なリモートアクセスを実現する。価格は82ドル(約1万1500円)で、2026年4月13日に出荷予定。

ESPNetLinkは、80×44×15.5mmのコンパクトな筐体にLTE通信、GPS受信、モーション検知機能を統合したモジュール。ESP32-S3デュアルコアプロセッサ、16MBフラッシュ、8MB PSRAMを搭載する。

LTE通信にはQuectel BG95-M5モジュールを採用し、LTE Cat-M1とNB-IoTに対応する。最大データレートは下り588kbps、上り1119kbpsだ。対応周波数帯はCat-M1が17バンド、Cat-NB2が18バンドで、Verizon、AT&T、T-Mobile(米国)、Telstra(オーストラリア)、Vodafone、Deutsche Telekom(欧州)などのキャリア認証を取得している。

GNSS受信機にはLC76Gを搭載し、GPS、GLONASS、BDS、Galileo、QZSSに対応する。位置情報の取得に加え、IMU(慣性計測装置)によるモーション検知機能を備える。

電源はUSB経由で供給され、WiCAN ProのUSBインターフェースまたは車両のUSBポートから給電できる。USB-to-シリアル変換にも対応し、柔軟な接続性を提供する。低消費電力モードを備え、USBアクティビティやモーション検知による起動(Wake-on-USB/Motion)に対応するため、車両を長期間駐車する場合でもバッテリーへの負荷を抑えられる。

設定はHTMLインターフェースまたはコマンドラインインターフェース(CLI)から実行できる。ファームウェアとハードウェア設計はオープンソースで公開される。回路図はキャンペーン期間中に公開済みで、ファームウェアはGitHubで確認できる。

WiCAN Proとの組み合わせ

ESPNetLinkは、同社のWiCAN Pro(車載CANバス診断ツール)と組み合わせて使用することを想定している。WiCAN ProのOBD2ポートから車両データを取得し、ESPNetLinkのLTE接続を経由してWireGuard VPN経由でHome Assistantにデータを送信できる。サードパーティサービスを介さず、暗号化された安全な通信を確立できる点が特徴だ。

車両の診断データのリモート監視、リアルタイムデータストリーミング、設定変更などを外出先から実行できる。GPS追跡機能により、車両位置の監視も可能だ。

IoTゲートウェイとしての用途

車両用途以外に、IoTゲートウェイとしても機能する。センサーやメーター、各種デバイスとの低データレート通信を安定して提供し、環境モニタリングや遠隔機器診断など幅広いIoT用途に対応する。

動作にはSIMカードが必要で、SIMBase(データ通信料1MBあたり0.01ドル)やHologram(3世代SIMが1MBあたり0.03ドル)などのIoT向けSIMサービスが利用できる。

パッケージには2mのUSBケーブルとUSB-C OTGコネクタが付属する。オプションで0.3mのOBDフラットケーブル(10ドル、約1400円)も用意され、OBD2ポートへの目立たない設置が可能だ。

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ESPNetLink(Crowd Supply)

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