ディスプレイ下に貼れる透明センサーフィルムを開発——タッチと圧力を同時検知

FabScene(ファブシーン)

タッチパネルには長年の弱点がある。手袋をしていると反応しにくく、濡れた指では誤作動しやすく、軽く触れた場合と強く押した場合を区別できない。こうした課題をまとめて解決しようとする素材が、フランスのNanomadeとドイツのPolyICの共同開発で登場した。両社は2026年3月31日、静電容量タッチと超高感度圧力検知を1枚の透明フィルムに統合した製品を発表した。

仕組みはシンプルに見えて新しい。PolyICは透明な導電電極を印刷した透明・フレキシブルな静電容量フィルムを製造する。そこへNanomadeがナノ粒子ベースの独自インクを同じ基材に重ねて印刷し、圧力検知層を加える。このナノ粒子インクが「量子的な変形センシング技術」と両社が呼ぶNanomadeの核心技術で、ごく小さな変形でも電気抵抗の変化として捉えられる。結果として、タッチと圧力の両方を検知できる完全透明・フレキシブルなフィルムが1枚にまとまる。

透明なタッチセンサーは既存のものがあるが、透明のままで圧力検知と組み合わせた製品はこれまで存在しなかったと両社は主張している。

このフィルムの最大の特徴は「現行の設計を変えずに貼り付けられること」だ。既存ディスプレイやインターフェースの下に積層するだけで組み込め、部品の設計変更を必要としない。曲面や3次元形状の表面にも追従するため、自動車のダッシュボード・家電のガラスパネル・医療機器のコントロール面など、見せない・光る・曲がるといった用途に対応できる。

手袋着用時の誤作動防止や湿潤環境での安定動作、軽いタッチと意図的な押圧の判別(段階的なフィードバック)といった使い分けも可能だとしている。

現在は概念実証が完了し、製品化フェーズに入った段階だ。2026年第3四半期にサンプルの提供を開始する予定で、大手OEMとの実証プロジェクトが進行中だという。

関連情報

fabsceneの更新情報はXで配信中です

この記事の感想・意見をSNSで共有しよう
  • URLをコピーしました!
目次