米ニューヨーク州、3Dプリンターに「銃を作れない」機能の搭載を義務化へ

FabScene(ファブシーン)

米ニューヨーク州のKathy Hochul知事は2026年1月7日、3Dプリンターで銃器を製造できないようにする法案を発表した。成立すれば、3Dプリンターメーカーに銃器の造形を阻止する安全機能の搭載を義務付ける全米初の州法となる。

法案では、ニューヨーク州内で販売・使用される民生用および業務用3Dプリンターに対し、銃器や銃器部品の造形を阻止する技術の搭載を求める。銃器の3Dデータファイルを無許可で販売、配布、所持することも犯罪として規定した。

Hochul知事は声明で「銃器技術の進化に合わせ、銃規制法も進化させる。違法なゴーストガンをニューヨークの路上から排除する」と述べた。ゴーストガンとは、シリアルナンバーのない追跡不可能な銃器を指し、3Dプリンターの普及に伴い自宅で製造されるケースが増加している。銃暴力対策団体Everytownの調査によると、全米20都市で回収された3Dプリント銃は過去5年間で1000%増加した。

銃器メーカーへの設計変更も要求

法案にはピストルメーカーへの規制も含まれる。「Glockスイッチ」と呼ばれる小型部品を取り付けることで、半自動式ピストルをフルオート射撃可能なマシンガンに改造する手口が問題化しており、こうした改造が困難な設計を銃器メーカーに義務付ける。Glockスイッチは3Dプリンターでも製造可能で、海外からの違法輸入も確認されている。

警察や保安官事務所に対しては、回収した3Dプリント銃をニューヨーク州警察が管理するデータベースに報告することを義務付ける。

マンハッタン地区検事のAlvin Bragg氏は「3Dデータファイルの拡散を止めることで問題が完全に解決するわけではないが、犯罪者がゴーストガンを入手するハードルは上がる」と述べた。

ニューヨーク州では2021年にゴーストガンの販売・所持を禁止する法律が成立している。州によると、2025年の銃撃事件数は2021年比で60%減少し、過去最低を記録した。Hochul知事は2026年の施政方針演説で今回の法案を発表しており、州議会での審議を経て成立を目指す。

関連情報

Keeping New Yorkers Safe: Governor Hochul Announces Nation-Leading Proposals to Crack Down on 3D-Printed Guns and Other Illegal Firearms(ニューヨーク州知事公式サイト)

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