YouTuberがNintendo Switch 2の中身を徹底解剖、Joy-Con問題は本当に解決されたのか?

リペア専門YouTubeチャンネル「TronicsFix」が、Nintendo Switch 2の完全分解動画を公開し、内部構造や修理可能性について詳細なレビューを行った。分解により、新型チップの採用や冷却システムの改良、一方で修理性に関する課題も浮き彫りになった。

分解作業では、本体背面のステッカーを剥がす必要があり、これが最も困難な作業として挙げられている。ステッカー下にはPhillipsネジが配置されており、左右のJoy-Con接続部には強力な磁石が埋め込まれていることが確認された。内部には複数のアンテナが配置され、SDカードリーダーも搭載されているが、Nintendo Switch 2では「SD Express」カードが必要で、従来のSDカードは使用できない。

メインプロセッサには、Nintendo Switch 2向けにカスタマイズされた「Nvidia T239」チップが採用されている。このチップは8コアのARM Cortex A78Cプロセッサを搭載し、従来機種より大幅に性能が向上している。

冷却システムも大幅に改良され、従来のSwitchシリーズよりも大型のファンとヒートパイプが採用されている。ヒートパイプは幅広設計となっており、チップからフィンへの効率的な熱伝導を実現している。ファンはDelta Electronics製で、0.37アンペアの仕様となっている。

バッテリー容量は5220mAhと大容量化されているが、強力な接着剤で固定されており、交換作業は困難になっている。一方で、ディスプレイは7.9インチと大型化されており、1080p解像度に対応している。

修理性の改善点と課題

修理性の観点では、改善点と課題の両方が確認されている。改善点として、ヘッドホンジャックがモジュール式となり、1本のネジとコネクタで簡単に交換可能になった。また、マイクロフォン部も簡単に取り外し可能な設計となっている。

しかし、課題も多数存在する。ゲームカートリッジスロットは非モジュール式で、故障時の交換が困難な設計となっている。また、Joy-Con接続部分のコネクタは頻繁な着脱により摩耗する可能性が高く、長期使用時の耐久性に懸念がある。

マザーボードの設計も大幅に変更されており、従来のSwitchシリーズとは互換性がない。USBC充電ポートや充電回路、映像出力回路も異なる設計となっているため、修理技術者は新たに修理方法を習得する必要があるようだ。

本体背面のステッカーについても、分解のたびに剥がす必要があり、再利用時の粘着力低下が懸念されている。分解作業を行ったTronicsFixは「最も好ましくない設計」と評価している。

関連情報

Nintendo Switch 2 Teardown – Full Disassembly(TronicsFix)

FabScene編集部