ロボットが3分で靴を作る——On、従来200工程のシューズ製造を1ステップに置き換えた「LightSpray」搭載の新モデルを発売

スイスのスポーツブランドOnが、ロボットアームによる自動製造技術「LightSpray」を搭載したランニングシューズの新モデル3種を発表した。2026年2月25日付のプレスリリースで明らかにした。同日、韓国・釜山近郊にLightSpray専用の第2工場を開設したことも発表している。

LightSprayは、ロボットアームが足型(ラスト)の上にTPU(熱可塑性ポリウレタン)のフィラメントを約1.5km分吹き付け、靴のアッパー(上部)を約3分で成形する技術だ。従来のアッパー製造は糸の製造から織り、裁断、縫製、接着まで約200工程を要し、複数の工場をまたいで数日から数週間かかっていた。LightSprayではこれを完全自動化された1ステップに置き換える。特許出願中の熱融着技術によりアッパーとミッドソールを接着剤なしで接合でき、ブランドのロゴもインクジェットで自動印刷する。アッパーのCO2排出量は同社の他のレーシングシューズと比べて75%少ないという。

今回の目玉は「LightSpray Cloudmonster 3 Hyper」だ。アッパー1点、ミッドソール2点、ラバー5点のわずか8パーツで構成され、重量はUS M8.5サイズで205gとCloudmonster史上最軽量になった。ヒールスタック高は45mm、ドロップは6mm。価格は240ドル(約3万8000円)で、2026年3月5日に北米で先行発売し、4月16日からグローバル展開する。専用ソックスが付属し、通気性とフィット感を補う。

ベースモデルの「Cloudmonster 3」はデュアルデンシティのHelionフォームと3層CloudTecの日常トレーニング向け(295g、190ドル/約3万円、3月5日発売)。中間モデルの「Cloudmonster 3 Hyper」はHelion HFハイパーフォームを前世代から20%増量した長距離向け(274g、220ドル/約3万5000円、3月19日発売)。

LightSprayの着想源はハロウィンの蜘蛛の巣飾りだった。ホットグルーガンで糸を張る動画を見たOnのイノベーションチームのメンバーが、「複雑な立体に素早く構造を作れる」と着目。手持ちのグルーガンによる試作から始め、4年間かけて20人のチームで製品化した。2025年7月にチューリッヒに4台のロボットを備えた初の量産工場を開設し、今回の韓国工場では32台のロボットを導入して生産能力を30倍に拡大した。

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