
ORPHEが、6軸モーションセンサーと圧力センサーを内蔵したスマートインソール「ORPHE INSOLE」のβ版を研究機関・開発者向けに先行販売開始した。通常の靴の中敷きと交換するだけで、歩行や足の動きをリアルタイムに計測できるデバイスだ。
ORPHE INSOLEは、6軸モーションセンサー(加速度・ジャイロ)と6点の圧力センサーを搭載し、足の動きを詳細に記録する。約24時間の連続駆動が可能で、日常生活の中で自然に生体データを取得できる設計となっている。
取得したデータはORPHE独自のアルゴリズムで解析され、「足の高さ」「地面に対する足の角度」などのフォーム指標を可視化する。さらに転倒状態の判別など、動作安全性の評価機能も備えている。
LiDAR連携で全身の3次元データも取得
専用のモバイルアプリはスマートフォンやタブレットに搭載されたLiDARとの連携機能を持つ。インソールによる足の動きと組み合わせることで、全身の3次元姿勢データを同時に取得し、より高度な運動解析やリハビリ支援への応用が可能だ。
インソール本体は厚みを抑えながら高いクッション性を確保しており、長時間の装着でも快適性を維持する。これまで研究室内に限られていた高精度な生体データの取得を、実生活環境で実現している。
開発者支援として、JavaScriptやPythonによるオープンソースライブラリをGitHub上で近日公開予定だ。これにより、インソールを入力デバイスとして活用したオリジナルアプリケーションの開発が可能になる。
価格は評価キット(インソール3足+専用アプリケーション)が29万7000円(税込)、カスタマイズ対応を含む共同開発パッケージが50万円(税込)からとなっている。同社のデータサイエンティストやエンジニアとの連携による共同研究・受託開発にも対応する。
ORPHEは東京都渋谷区に本社を置くスマートシューズのスタートアップで、これまでに複数のスマートシューズを商品化。現在は足元のセンシングを核とした技術の研究開発を行っている。今回のβ版販売により、歩行解析、リハビリテーション、スポーツ科学などの分野での活用拡大を目指している。