
サンステラは2025年10月30日、Polymaker社製の「Fiberon™ PETG-ESD」フィラメントを発売した。静電気放電(ESD)から電子機器を保護する用途に適した3Dプリンター用材料で、製造現場での治具や固定具の製作に向く。
この製品は、従来「PolyMax PETG-ESD」として販売されていたもののリブランディング版で、フィラメント自体の組成に変更はない。
Fiberon PETG-ESDは、通常のPETG(ポリエチレンテレフタレートグリコール)フィラメントと比較して靭性が高く、割れにくい特性を持つ。静電気放電機能により、電子部品を静電気による損傷から守る効果がある。開放型の3Dプリンターでも印刷可能なPETGフィラメントの造形しやすさを維持しながら、強度が必要な部位にも使用できる。

ESDは「Electro-Static Discharge」の略で、日本語では静電気放電を意味する。半導体デバイスや大規模集積回路は静電気放電による損傷を受けやすく、電子部品の障害原因の55%以上が静電気放電によるものとされている。生産ラインで使用する治具や固定具をESD材料で製作することで、電子部品を静電気から保護し、製品が損傷するリスクを低減できる。
製品の推奨プリント温度は250-290℃、ベッド温度は70-80℃。80℃までの耐熱性を持ち、優れた層間接着性を備える。販売価格は500g入りで7480円(税込)。
Fiberonシリーズは、Polymakerが展開する新ブランドで、短繊維ファイバーや金属粉を配合したエンジニアリング用途向けフィラメント群。Bambu Lab製3Dプリンター用スライスソフトには専用の印刷パラメーターがあらかじめ搭載されており、複雑な調整なしで安定した造形が可能だという。

