
Raspberry Piは2025年12月3日、AI関連製品向けのソフトウェアアップデートを発表した。Hailo AIアクセラレーターを搭載した「Raspberry Pi AI HAT+」と「Raspberry Pi AI Kit」が、新しくリリースされたRaspberry Pi OS Trixieで正式にサポートされた。また「Raspberry Pi AI Camera」には、カスタムニューラルネットワークのデバッグを容易にする入力テンソルインジェクション機能が追加された。
DKMSによるドライバー管理に移行
AI HAT+とAI Kitのパッケージには重要な変更が含まれている。従来カーネルビルドに含まれていたHailoデバイスドライバーを分離し、DKMS(Dynamic Kernel Module Support)を使ってパッケージインストール時にカーネルドライバーをビルド・インストールする方式に変更された。
この分離により、カーネル本体をダウングレードせずにデバイスドライバーだけをダウングレードできるようになった。ドライバーのダウングレードが必要になるのは、古いバージョンのHailo Dataflow Compilerで生成したカスタムモデルを使う場合に限られる。
インストール手順は従来とほぼ同じで、DKMSフレームワークのインストールが追加されている。
関連して、HailoもGitHubでアプリケーションインフラストラクチャフレームワークを公開した。再利用可能なパイプラインとコンポーネントを使ってAIアプリケーションを開発するための基盤を提供している。

AI Cameraに追加された入力テンソルインジェクション機能は、デバイス上で動作するニューラルネットワークの品質や性能を、既存の画像データセットを使って再現可能な方法で検証できる。COCOのような標準データセットや、用途に合わせたカスタムデータセットが利用可能だ。
関連情報
Software updates for Raspberry Pi AI products(Raspberry Pi公式ブログ)

