ラズパイConnectがOTA更新に対応、電源オフのデバイスへもスクリプト実行やアップデートを予約投入できる

FabScene(ファブシーン)

Raspberry Pi Foundationは2026年3月20日、リモートアクセスサービス「Raspberry Pi Connect」の新機能としてOTA(Over-The-Air)アップデートをベータ公開した。ネットワーク越しにソフトウェアの更新やスクリプトを実行できる機能で、対象デバイスがオフライン中でも「デプロイ」を予約でき、次回オンライン時に自動実行される。


利用にはRaspberry Pi OS Trixie版と、新たに提供されるrpi-connect-otaパッケージが必要だ。セットアップ手順は、rpi-connectとrpi-connect-otaをインストールし、rpi-connect ota onコマンドでOTA機能を有効化するだけだ。


更新の仕組みは「アーティファクト」と「デプロイ」という2つの概念で構成される。アーティファクトはスクリプトやデータファイルをZstandard形式でまとめたパッケージで、SHA-256チェックサムをConnectサーバーに登録することで改ざんや破損を検出できる。アーティファクトのファイル自体はConnectサーバーを経由せずURL指定でデバイスに直接配信されるため、プライベートなファイルサーバーも利用できる。デプロイボタンを押すと対象デバイスへの配信命令が発行され、オンライン中なら即座に、オフラインなら次回起動時に実行される。


スクリプトはroot権限で実行されるため、apt upgradeによる全パッケージ更新から、ZIPファイルの展開・配置、任意のシェルスクリプトまで幅広い操作が可能だ。アーティファクトは複数台のデバイスに繰り返しデプロイできる。


屋外設置や遠隔地のRaspberry Piを製品として運用しているユーザーに向けては、A/Bアップデートスキームも解説されている。更新失敗時に自動で以前のバージョンに切り戻せる仕組みで、ラズパイが持つウォッチドッグタイマーとリブート後もデータが保持されるステート領域を活用する。ただしA/Bに対応したOSイメージを別途作成する必要があり、公式ツールrpi-image-genを使うとその構造のイメージを作れるとしている。


現時点でのベータ版の主な制限は、スクリプトの実行ログをWebコンソールから直接確認できない点だ。暫定的な回避策として、リモートシェルでログインしてからjournalctl -t rpi-ota-connectorでログを参照できる。今後は公式のapt upgradeアーティファクトの提供や、Connect for Organisationsとの統合(フリート管理)も計画されている。

関連情報

Raspberry Pi公式ブログ(2026年3月20日)

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