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オーストラリアのLuke Ditria氏らのチームが、Raspberry Pi用のソーラー充電HAT「PV PI」を開発し、Kickstarterで資金調達を開始した。12Vリン酸鉄リチウムイオン電池から給電しながら、最大10Aの太陽光充電が可能で、リモート環境での24時間稼働を実現する。
PV PIは、Raspberry PiやOrange Pi、Banana Piなどの40ピンヘッダーを持つシングルボードコンピューター向けの拡張ボード。12V LiFePO4(リン酸鉄リチウムイオン)バッテリーから5V 8Aの電力を供給しながら、太陽光パネルから最大10Aの充電電流でバッテリーを充電できる。MPPT(Maximum Power Point Tracking、最大電力点追従)機能により、あらゆる光条件下でソーラーパネルの最適な電圧点を自動的に見つけ出し、効率的な充電を行う。

搭載されたSTM32F103マイクロコントローラーにより、バッテリー電圧と充電電流のモニタリングが可能。RTCアラームやバッテリー電圧レベルを基にRaspberry Piの起動条件を設定でき、消費電力を抑えた運用ができる。Raspberry PiとはUARTシリアル通信で接続するため、I2Cインターフェースに依存せず、標準のPySerialライブラリで制御可能だ。
従来のRaspberry Pi向けソーラー電源ソリューションは10から20Wの充電能力しかなく、5Wを24時間消費するRaspberry Pi(120Wh)に1日分のエネルギーを供給するには8から10時間の直射日光が必要だった。一方、120WのソーラーパネルとPV PIの組み合わせなら、晴天時に100Wの充電電力を提供でき、1時間強で1日分のエネルギーを供給できるという。
想定される用途として、環境モニタリングステーション、リモートセキュリティシステム、農業IoT展開、オフグリッド研究プロジェクト、緊急通信システムなどが挙げられている。
キットには、PV PI本体のほか、Raspberry Piへの取り付け用スタンドオフキット、40ピンヘッダーと接続するためのスタッカブルヘッダー、ソーラーパネルとバッテリー接続用のXT30オス・メスのはんだ付け済みピグテールが含まれる。はんだ付け不要で、プラグアンドプレイでの設置が可能だ。
プロジェクトを主導するLuke Ditria氏は、メルボルン在住で電気工学のバックグラウンドを持ち、機械学習の博士号を取得している。YouTubeチャンネルで電子工学や機械学習について発信しており、オーストラリアのハードウェア・ソフトウェア設計経験者と共同でプロジェクトを進めている。
PV PIは、保全のためのリモートコンピュータービジョンとAI対応監視システムの構築を目指すAutoEcologyの最初の製品となる。プロトタイプは製造元で開発・テスト済みで、現在は最終設計とファームウェア開発を進めている。製造は2025年12月から2026年1月に開始し、2026年3月から4月に出荷を予定している。
Kickstarterでのキャンペーンは2025年11月19日まで実施される。

