イタリアのRELOCは2026年6月17日、Raspberry Piのコンピュートモジュール(CM4/CM5)と同じ形に、ESP32-P4を載せた基板モジュール「SCINTIX P4」を公開した。CM用キャリアボードにそのまま挿して使え、MCU(マイコン)ベースでは初のモジュールだとしている。クラウドファンディングのCrowd Supplyでの公開を控える。
Raspberry PiのCMは、処理部を小さな基板にまとめ、土台のキャリアボードに挿して使う仕組みだ。ふつうはLinuxが動くラズパイの頭脳が載るが、SCINTIX P4はそこに、消費電力の小さいESP32-P4を載せ替える。重いOSを使わず、すぐ起動して低い電力で動く用途に向く。
ESP32-P4は、400MHzで動く2つのRISC-Vコアに低消費電力のコアを1つ加え、32MBのPSRAMとフラッシュメモリーを積む。無線はESP32-C6が受け持ち、Wi-Fi 6やBluetooth 5、Zigbeeなどに対応する。キャリアの端子からは、MIPIのディスプレイとカメラ、100Mビット/秒のイーサネット、USB 2.0、40本のGPIOを引き出せる。
ただし、キャリアに挿してもすべての機能が使えるわけではない。ESP32-P4が持たないHDMIやPCIeは出せず、USBは2.0の速さ、イーサネットは100Mビット/秒までにとどまる。カメラは初代のRaspberry Pi用には対応するが、新しいソニー製センサーのモジュールには対応しない。Raspberry Pi OSも動かない。
ソフトはRaspberry Pi OSの代わりに、EspressifのESP-IDFやArduino、PlatformIOで開発する。RELOCは、回路図や部品表、KiCad用の部品データ、サンプルを配る予定だとしている。価格は公開していない。Linuxの重さがいらない表示やセンサーの工作で、Raspberry Pi向けの豊富なキャリアや周辺機器をそのまま使える点が狙いだ。