
米テキサス州のSALTGATOR Tecが、デスクトップサイズの射出成形機「SALTGATOR」をKickstarterで発表した。従来は工場規模の設備が必要だった射出成形を、デスクに置けるサイズの装置で実現する。10分程度の短時間でソフトな樹脂部品を製造でき、DIYユーザーやメイカー、小規模な試作開発などでの活用を想定している。
SALTGATORは、材料の加熱、混合、射出をワンボタンで実行できるオールインワン設計が特徴だ。密閉型の加熱チャンバーを採用し、有害なガスの発生を抑制するため、屋内での安全な使用が可能としている。製品には初心者向けのチュートリアル動画やプリセット型ライブラリが付属し、経験のないユーザーでも30分以内に使用を開始できるという。
幅広い材料に対応、3Dプリント製型も利用可能
温度制御範囲は176°F~410°F(80~210°C)で、硬度0A~40Aの材料に対応する。PLA、PETG、ABSなどの3Dプリント材料で作成した型での成形が可能で、従来の金属型以外の選択肢を提供する。また、材料の再利用機能を搭載し、使用済みの樹脂部品を溶かして再成形できる。
対応する型材料は、3Dプリント材料のほか、アルミニウム、真鍮、銅などの金属、高温シリコン型、エポキシ樹脂型など多岐にわたる。最大容量は4 fl oz(120ml)で、電源は32V、128W DC入力を使用する。本体サイズは153mm×137mm×330mmとなっている。
釣り用ルアーから試作部品まで多様な用途


主な対象ユーザーとして、釣り愛好家、ハードウェア設計者、教育関係者、コスプレイヤーなどを想定している。釣り愛好家向けには、カスタムソフトルアーの製作や既存ルアーの修理での活用を提案。ハードウェア設計者には、ソフトタッチ部品のプロトタイピングでの利用を想定している。
価格は1台パックが229ドル(約3万3000円)~299ドル(約4万3000円)、2台パックが429ドル(約6万2000円)~509ドル(約7万3000円)、5台パックが1049ドル(約15万1000円)となっている。出荷開始は2025年9月の予定で、2年間の製品保証が付く