
Raspberry Piエコシステム向けの産業用製品を手がける米Sixfabは、CES 2026で「Best of Innovation Award」を受賞した。同賞はCESの最高賞にあたり、世界3600件以上の応募から選出された。受賞製品「ALPON X5 AI」は、Raspberry Pi Compute Module 5と韓国DEEPXのAIアクセラレーター「DX-M1」を搭載するエッジAIゲートウェイだ。
ALPON X5 AIは、クラウドに依存せずデバイス上でAI推論を完結させるエッジコンピューティング製品。DX-M1は25TOPS(INT8)の処理能力を平均消費電力3.5Wで実現する。DEEPXによると、GPUと比較して10倍以上の電力効率を達成しているという。対応フレームワークはTensorFlow Lite、ONNX、PyTorch、OpenVINOで、YOLOv5やYOLOv7による物体検出、YOLOPoseによる姿勢推定、SCRFDによる顔検出などを実行できる。
産業用途を想定した設計が特徴で、ファンレス構造のアルミ筐体を採用し、24時間連続稼働に対応する。通信機能はデュアルイーサネット(100Mbps/1Gbps)、Wi-Fi 5、Bluetooth 5.0、4G LTE(eSIM対応)を内蔵。ストレージはNVMe SSDとeMMCに対応し、DINレールや壁面への取り付けが可能だ。セキュリティ面ではTPM 2.0を搭載し、産業規格(FCC、CE、UKCA、RoHS)の認証を取得している。
価格は750ドル(約10万5000円)。50ドルのデポジットで先行予約を受け付けており、2026年1〜2月の出荷を予定している。
Sixfabは2016年創業で、Raspberry Pi向けのLTE/5Gモデムやセルラー通信モジュールを開発してきた。Raspberry Pi公式のDesign Partnerプログラムにも参加しており、これまでに11万台以上のデバイスを出荷している。CES 2026では、Raspberry PiのChris Boross氏とSamantha Snyder氏も会場で受賞を祝った。
Raspberry Pi CEOのEben Upton氏は「AIのオンライン・デジタル世界への影響が話題の中心になりがちだが、これらの技術は他の分野でも変革をもたらす可能性がある。ALPON X5 AIは、同じインテリジェンスを物理世界に適用する方法を示している」とコメントしている。
関連情報
Sixfab wins big at CES with Raspberry Pi–powered AI gateway(Raspberry Pi公式ブログ)
Sixfab’s ALPON X5 AI Named CES 2026 “Best of Innovation” in Enterprise Tech(プレスリリース)

