米ストラタシスが日本の3Dプリンター企業ディーメックを買収、SLA技術を補完

FabScene(ファブシーン)

3Dプリンター大手の米Stratasys Ltd.の日本法人であるストラタシス・ジャパンは2025年10月1日、日本の3Dプリンター製造販売会社であるディーメック(D-MEC)を買収する契約を締結したと発表した。ストラタシスによる日本企業の買収は初めてとなる。

ディーメックは、1990年2月に設立された光造形(SLA)3Dプリンターメーカーで、これまでJSRの完全子会社として事業を展開してきた。同社は、ディーメック、JSR、ソニーの3社で開発された光造形システム「ソリッドクリエーションシステム(SCS)」を中心に、SLA 3Dプリンター、光硬化性樹脂材料、モデリングセンターを含む製造サービスなど、包括的な3Dプリンティングソリューションを提供している。

同社は日本で最も早くから3Dプリンター事業に取り組んできた企業の一つで、35年以上にわたり光造形技術を開発。2014年には、JSRと共同で世界初のマイクロ波成形システム「Amolsys M-150」を開発し、一般的な熱可塑性樹脂を使った実用製品の成形を可能にした。2015年には、国産機では最大となる造形サイズ(幅850mm×奥行650mm×深さ300〜500mm)を実現した光造形3Dプリンター「ACCULAS BA-85S」を発売。2021年には、従来機の半分以下の価格で高精細な造形を実現した「DARAM 3」を投入していた。

買収後、ディーメックとその従業員は、ストラタシスの傘下に入り、ストラタシス・ジャパンの一員として、D-MECブランドのもとで事業を継続する。

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