タイプライターをClaudeのAI端末に改造、質問を打つとAIが物理的にタイプで返答

FabScene(ファブシーン)

イギリスのMaker、Ben James氏が、電動タイプライターをAnthropicの大規模言語モデル「Claude」と接続し、質問を打ち込むとAIがタイプライターで返答を打ち返すシステムを製作した。

タイプライターに質問を入力すると、Claudeがその場でタイプして応答を返す。AIの応答がモーター音とともに紙に印字されていく様子は、デジタルなやり取りとは異なる独特の体験を生み出している。

James氏のアプローチは、タイプライターのキーボード信号を電子的に傍受し、「ファントムキープレス」(擬似的なキー入力)を生成するというものだった。タイプライターのキーボードは一般的なキーボードと同様にマトリックス構造になっており、キーを押すと特定の行と列が接続される仕組みになっている。8行×8列、計32本の配線をすべてインターセプトし、Arduinoでキー入力のスキャンと擬似入力の送信を処理している。

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筐体内部にスペースがなかったため、電子部品は背面に取り付けた。制御の中枢にはRaspberry Pi Zeroを採用し、インターセプトしたキー入力をシリアル通信でRaspberry Piに送信する構成となっている。このため、Claude端末としてだけでなく、フル機能のLinuxターミナルとしても動作する。

James氏は自身のブログで「LLMが物理的に具現化されるのを見るのは、なぜか心を動かされる。知性あるものがガチャガチャと音を立てて動き出し、投げかけたあらゆる質問に答えていく様子は、LLMを初めて体験したときのような感覚だった」と述べている。

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