食品が傷んだときのにおいを嗅ぎ分ける「電子の鼻」を、UC Berkeleyの研究チームが開発した。人の鼻よりも正確ににおいをとらえ、クルミやピーナッツといった食物アレルゲンの有無も見分ける。成果は2026年6月17日、学術誌のScience Advancesに掲載された。
中核となるのは、複数のガスセンサーを並べた小さなチップだ。においに含まれる成分に対して、それぞれのセンサーが少しずつ違う反応を示す。その反応の組み合わせを「ガスの指紋」としてとらえ、機械学習でにおいの種類を見分ける。個々の成分だけでなく、においそのものを言い当てられる。
研究を率いたのは、電気工学とコンピューターサイエンスを学ぶ博士課程のCarla Bassil氏(Javey研究室)。応用先として挙げるのが、スマート冷蔵庫だ。センサーを内蔵し、スマートフォンから様子を確認できる冷蔵庫に、この技術が向くという。食品に触れずに調べられる点も利点に挙げる。
傷んだ食品による健康被害は小さくない。米国では年間およそ4900万人が食中毒にかかり、12万8000人が入院、3000人が亡くなるという。冷蔵庫がにおいで腐敗をいち早く知らせれば、こうした被害や食品の廃棄を減らせる可能性がある。