
ugoが、AIロボット向け模倣学習キットを開発し、2025年10月16日に開催された「Robotics NEXT Tokyo 2025」で初公開した。デュアルアーム型ヒューマノイドロボット「ugo Pro R&Dモデル」、バイラテラルコントローラー、ヘッドマウントカメラ、オープンソースの模倣学習フレームワーク「LeRobot」に対応したソフトウェアライブラリで構成される研究開発者向けパッケージだ。2026年発売予定で、同日より先行受注を開始する。
模倣学習は、人間が実演した動作をロボットに学習させる手法だ。このキットを使うことで、研究者や開発者は人間の動作デモンストレーションをロボットに学習させる環境を構築できる。VLA(vision-language-action)モデルのようなロボット基盤モデルの研究開発に活用できる。人がロボットを操縦して高品質な訓練データを短時間で収集し、AIモデルの構築に迅速に着手できる仕組みだ。

ロボット本体は、量産・市場投入の実績を持つ「ugo Pro」を研究仕様に最適化したデュアルアーム型の「ugo Pro R&Dモデル」だ。車輪型で、汎用的なロボット動作に関するデータ収集を想定した拡張性を備える。ヘッドマウントカメラと専用充電器が付属する。
バイラテラルコントローラーは、操縦者とロボットの間で動作と力覚を双方向に伝達する装置だ。双腕の動きを直感的に操縦でき、力覚の反映によって実際の手応えを感じながらデータ収集できる。操縦者がコントローラーを動かすとロボットも同じ動きをし、ロボットが物体に触れた際の抵抗感がコントローラーにフィードバックされる。Meta Quest 3Sでの操縦にも対応予定だ。ヘッドマウントカメラは、ugo Proの頭部にセットすることで人の視点を再現する。
ソフトウェアは、米Hugging Faceが開発したオープンソースのロボティクス向け模倣学習フレームワーク「LeRobot」に対応した「ugo RobotConfig Library」を提供予定だ。これにより、収集、可視化、学習、推論をオープンな開発環境に沿って構築できる。
ugoは業務DXロボットの開発を手掛ける企業で、2018年に設立された。本社は東京都千代田区に置く。