
ノッティンガムシャー警察は2025年8月22日、遠隔操作式の4足歩行ロボットの実証実験を開始したと発表した。このロボットはサーマルイメージングカメラ(熱画像カメラ)を搭載しており、暗闇でも人の位置を特定できる。また、建物内部を詳細に3Dスキャンする機能も持ち、危険な状況下で警察官が安全に進入・退出するためのルート確認に役立てられる。
ロボットの足には車輪が付いており、階段を上ったり障害物を乗り越えたりできる。建物内部や不整地での使用を想定している。現在警察が使用している小型ドローンと異なり、完全に無音で動作する点も特徴だ。
実証実験は英国政府の首席科学顧問室の資金提供を受け、警察の銃器訓練チームが12週間にわたって実施する。武装した立てこもり事件、人質交渉、建物捜索といった訓練シナリオでロボットを使用し、その有効性を検証する。結果は内務省に報告され、実戦での運用方法についての提言も行われる予定だ。テストが成功と判断されれば、2026年に実戦配備される可能性がある。
なお、このロボットは4本足で「ロボット犬」と呼ばれているが、現在警察が使用している実際の警察犬の代替にはならない。警察犬は容疑者を追跡したり、麻薬や現金、銃器などを嗅覚で発見したりする能力を持っており、ロボットにはこうした速度や即応性、鋭い嗅覚がないためだ。
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Nottinghamshire Police – Officers testing ‘revolutionary’ robot dog