中国WCH(南京沁恒微電子)が、32bitのRISC-Vマイコン「CH32V407」を発表した。最大200MHzで待ち時間なしに動き、複数のデータをまとめて処理するベクトル命令に対応する。姉妹品の「CH32V467」は、そこへ4MBまたは8MBのメモリーを内蔵で足した型になる。
CH32シリーズは、安価で性能が出るマイコンとしてMakerの間に広まった。命令セットには誰でも使えるRISC-Vを採り、コア自体は同社が独自に設計したQingKeを載せている。今回のCH32V407は産業用と位置づけられ、シリーズの中では上位にあたる。
目を引くのはベクトル命令への対応だ。通常のマイコンはデータを1つずつ順番に計算するが、ベクトル命令は同じ計算を複数のデータに一度にかけられる。音声や画像の信号処理、機器の内部で完結させる機械学習の推論など、同じ演算を大量に繰り返す処理で効いてくる。同社は用途として、演算の高速化と並列処理を挙げる。
内蔵SRAMは200KB、プログラム用のフラッシュは512KBを積む。CH32V467では、擬似SRAMと呼ぶ種類のメモリーを4MBまたは8MB追加で積み、DMAからも読み書きできる。マイコンとしては大きな容量で、画像を扱う処理では作業領域の広さがそのまま扱えるサイズに響く。
通信まわりも厚い。480Mbpsで通信できるUSB 2.0のハイスピード対応インターフェースを2系統持ち、それぞれホストとしてもデバイスとしても使える。イーサネットは通信制御部と物理層の両方を内蔵し、10Mbpsと100Mbpsに対応する。外付けのイーサネット用チップを省ける構成だ。このほかUSARTを10系統、SPIを3系統、I2Sを2系統、I2CとI3CとCANを各1系統備える。
映像と表示の機能も並ぶ。150MHzで動くカメラ入力用のDVPインターフェース、液晶パネルを直接駆動するLCD-TFTコントローラー、そしてテープ状のフルカラーLEDをつなぐARGB用のインターフェースを持つ。外部メモリーをつなぐFSMCや乱数生成器、96bitの固有IDも入る。
アナログ側には12bitのA-D変換器とD-A変換器を各2系統、オペアンプとコンパレーターを1組そろえる。汎用のDMAは2組で合計24チャンネル、タイマーは6個ある。入出力ピンは77本で、うち16本を外部割り込みに割り当てられる。動作電圧は2.9〜3.6Vで、スリープ、ストップ、スタンバイの3つの省電力モードを持つ。