ドイツのInMachines Ingrassiaが、オープンソースの卓上CNCフライス盤「Piccola CNC」を公開した。ハードウェアとファームウェア、ソフトウェアのすべてを出荷時点で開示し、図面も基板もコードの1行までも利用者が読んで改変できるとする。同社にとって量産を前提にした初の商用機になる。
機種はBasic、Pro、Ultimateの3種類がある。加工エリアは共通で150×150×70mm、コレットはER 11を使う。フレームはアルミ板の曲げ加工で、XYZの全軸にベルト駆動のボールねじを組む。位置の分解能は0.0025mm、最大送り速度は2000mm/minとする。接続はUSB-CとWi-Fiに対応し、スマートフォンとPCの両方から加工の開始やファイルの管理、進捗の確認ができる。
Basicは100Wのブラシ付きスピンドルを20000rpmで回し、本体重量は15kg、外形は350×400×370mmだ。ProとUltimateは200Wのスピンドルを12000rpmで回し、重量18kg、外形350×455×400mmで、全体を覆うエンクロージャーとLED照明が付く。Ultimateはさらに、XY原点の検出と材料の中心検出、面全体の自動レベリング、そして3Dスキャンに対応する。削る機械の上で形状の取り込みまで済ませられる。
安全面ではISO 13849のPerformance Level Cの認証を取得した。カバーが開いた瞬間に動作を止めるハードウェアのインターロックを備え、ソフトウェアによる代替では済ませていない。学校や家庭に置ける水準を狙ったと説明する。
機構では、モーターを軸から切り離す構成を採る。バックラッシュと軸どうしの干渉をなくして動きを滑らかにし、公差を詰める狙いだ。基板の切削では高さマップによる自動レベリングが働いて板の反りを補正し、工具長も自動で検出する。
アクセサリーは差し込むだけで使える形にした。クランプを使わずに基板を固定するバキュームベッド、丸い部品を削るロータリー軸、金属加工で工具の寿命を延ばすクーラントシステム、原点検出を自動化するレーザーセンサー、切りくずを吸う排気、クランプ一式がそろう。
InMachinesはDaniele Ingrassia氏が創業した企業で、Fab Labネットワーク向けの機械を手がけてきた。これまでにレーザーカッターのFabulaser MiniとLaserDuo、そしてOpen Lab Starter Kitの各機をGitHubで公開している。Piccola CNCは現在ウェイトリストの登録を受け付けており、価格は公表していない。