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ガラスに従来の2万倍速で微細貫通穴、理研が半導体向け加工技術を開発

スマートフォンやAIを支える半導体は、複数のチップを高密度につなぐ実装の技術が性能を左右する。理化学研究所(理研)とエンプラス研究所の共同研究グループは2026年6月10日、その土台となるガラス基板に、極めて細い貫通穴を従来の2万倍以上の速さで開ける加工技術を開発したと発表した。次世代半導体の製造を支える基盤技術になると期待される。

性能を上げるため、機能ごとに分けた小さなチップを束ねる「チップレット」や、チップを立体的に積む3次元実装が広がっている。これらを高密度につなぐ土台が「インターポーザ」だ。次世代では、高い周波数の信号を通しやすく、反りにくいガラスが有力視されている。ただ、ガラスに信号を通すための微細な貫通穴(TGV)を、速くきれいに開けるのが難しかった。従来のレーザー加工などは毎秒数百穴ほどで、亀裂や欠けも起きやすい。

研究グループは、ごく短い光のパルスをGHzの間隔で束ねて打つレーザーを、円錐形のレンズで細長いビーム(ベッセルビーム)に整えて使った。厚さ1.1mmのガラスに1回照射するだけで、穴径1.1マイクロメートル(μm)、深さが穴径の1000倍にあたる貫通穴を、1ナノ秒以下で開けた。先細りや亀裂のない、きれいな穴ができたという。研究グループは、この速さを世界最高とする。

穴の太さは、後から調整できる。穴を開けたガラスを水酸化ナトリウムの溶液に浸してガラスを少しずつ溶かすと、1.1μmの穴を狙った太さまで広げられる。溶かす時間に比例して穴が広がり、表と裏、中央で太さがそろう。穴の内壁の凹凸は平均0.072μmと、なめらかだった。加工の速さはすでに毎秒3000穴に達し、装置を高性能にすれば毎秒1万穴以上も見込めるとしている。

半導体の量産では、TGVを速く開けることが生産性を決める。1穴に1ナノ秒以下しかかからないため、レーザーやガラスを高速で動かしても穴の位置がぶれない点が、量産との相性を高めている。この技術はホウケイ酸ガラスのほか、石英ガラスなどにも使える。研究グループは、半導体だけでなく、電子機器や、医療やバイオ向けのチップ、産業用部品への応用も見込む。

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FabScene編集部

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