Seeed Studioが、磁石で貼り付けるE Inkの情報端末「reTerminal Sticky」のプレオーダー予約を開始した。対角3.97インチ(約101mm)の電子ペーパーにタッチ操作と音声入力を備え、家族が共有する伝言板として使う。ファームウェアを入れ替えれば電子書籍リーダーやHome Assistantの操作パネルにもなる。価格は49.90ドル(約7900円)。直販サイト
使い方の中心は音声にある。本体のボタンを押して話しかけると、その内容が文字に変換されて画面に残る。E Inkは表示を保つのにほとんど電力を使わないため、書いた内容は電源を気にせず出したままにできる。四隅にN52磁石を仕込んであり、冷蔵庫や金属の扉に貼り付ける。金属でない面には、付属する粘着式のマグネットリングを使う。
中核はESP32-S3R8で、PSRAMを8MB内蔵する。外部フラッシュは256Mビット、microSDカードで容量を足せる。画面は白黒のE Inkで解像度が800×480、画素密度は235ppi、4段階のグレースケールを扱う。静電容量式のタッチパネルを重ねている。
センサー類も一通り載る。温湿度センサーと6軸のIMU、時刻を保つためのRTC、音声を拾うPDMマイクを備え、物理ボタンが3個とブザーが1個付く。無線は2.4GHzのWi-FiとBLE 5.0で、給電と書き込みはUSB-Cから受ける。本体は106×65.5×7.3mmで、重さは70gになる。防塵防水の等級はIP40で、水には対応しない。
電池は750mAhのリチウムイオン電池を積む。同社は通常の使い方で最大1週間もつとし、静止画のように更新頻度が低い用途では省電力モードで数カ月まで延びるとする。ただし正確な稼働時間はまだ検証中だと断っている。
この製品の要は、載せるソフトウェアを選べる点にある。出荷時にはスマートフォンのSeeedashアプリと組み合わせるファームウェアが入るが、同社はオープンソースの選択肢を4つ挙げる。電子書籍リーダーにするCrossPoint、情報の一覧を表示するTRMNL、Home Assistantとつなぐ用途のOpenDisplayとESPHomeだ。書き込み手順の解説も公式サイトに用意する。ノーコードで画面を設計できる自社のSenseCraft HMIについても、当面は専用ファームウェアを書き込む形で使えるとしている。
制約もある。音声入力が対応するのは現時点で英語と簡体字中国語だけで、日本語は使えない。同社は対応言語を増やす作業を進めているとする。端末側のアプリも開発の途中にあり、コミュニティの意見を取り入れながら改良を続けているという。
販売は同社のオンラインストアで、出荷元は中国の倉庫になる。10個以上まとめて買うと1個あたり47.90ドル(約7600円)に下がる。ただし製品の専用サイトは購入先を準備中と表示しており、出荷の開始時期は明示されていない。