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リチウムイオンより安全な亜鉛空気電池、白金不要の鉄系触媒で東北大が高性能化

スマートフォンやドローン、ウェアラブル機器の多くはリチウムイオン電池で動く。だが材料が高価なうえ、発火のリスクもつきまとう。その代わりの候補が、空気中の酸素を取り込んで放電する「亜鉛空気電池」だ。材料が豊富で安く、水をベースにした電解液を使うため燃えにくい。東北大学のHao Li教授らの研究チームは、この電池の弱点を補う鉄系の触媒を開発した。

亜鉛空気電池は、放電のときに空気中の酸素を取り込む「酸素還元反応」に頼る。ところがこの反応は進みが遅く、性能を頭打ちにしてきた。反応を速める触媒には白金が使われてきたが、高価で量も限られる。研究チームは白金を使わず、ありふれて安い酸化鉄(Fe2O3)を主役に据えた。ただ酸化鉄だけだと、反応の途中で生じる物質を強く抱え込みすぎて反応が滞る。そこで酸化サマリウム(Sm2O3)と組み合わせ、抱え込みをほどよく緩めることで反応をスムーズにした。

この触媒を使った亜鉛空気電池は、白金系の標準的な触媒を上回る性能を示したという。液体の電解液を使うタイプだけでなく、薄く曲げられる全固体型でも動いた。実験では、小型のLEDを点灯させ、スマートフォンを充電してみせている。

貴金属に頼らない触媒は、電池を安く、長持ちさせ、量産しやすくする道につながる。研究チームは、携帯機器やウェアラブル端末、電気自動車、再生可能エネルギーの蓄電などへの応用を見込む。成果は学術誌Angewandte Chemie International Editionに2026年5月25日付で掲載された。

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FabScene編集部

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