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電池スラリーの塗工条件を1mL・5分で評価できる手法を東京理科大が開発

東京理科大学の四反田功准教授らの研究グループが、リチウムイオン電池の電極を作るペースト材料(スラリー)の塗工条件を、電池を組み立てる前の段階で迅速に評価できる手法を確立した。成果は2026年4月30日に学術誌「Journal of Power Sources」にオンライン掲載され、同5月13日に東京理科大学がプレスリリースを発表した。

リチウムイオン電池の電極は、活物質・導電助剤・バインダーを溶媒に混ぜたスラリーを金属箔に塗り付け、乾燥させて作る。塗る速さ(塗工速度)が異なると内部の導電ネットワークの形成状態が変わり、電池性能に直接影響する。最適な塗工条件を見つけるためにはこれまで実際に電池を組み立てて充放電試験を実施する必要があり、多大な時間・材料・コストが必要だった。塗工速度の決定は製造現場の経験則に頼るのが実情だったという。

今回の手法は「レオ・インピーダンス測定法」と呼ぶもので、流動性を計るレオメーターと電気化学インピーダンス分光法を組み合わせ、実際の塗工条件を再現した状態でスラリーの電気的特性をその場で測定する。注目すべき発見は逆相関関係だ。流動中のスラリーの電気抵抗が最大になる中程度の塗工速度(約50 s-1)では、乾燥後の電極の電気抵抗が最小になり、電池性能も最も優れることが判明した。カーボンブラック(導電助剤)が適度に分散した状態のスラリーが、固化後に最も効率的な導電ネットワークを形成するためだと考えられている。使用試料は1mL未満、1条件あたりの測定時間は約5分以内だ。

今回はLFP(リン酸鉄リチウム)正極スラリーでの実証だが、研究グループはこの手法を負極材料や次世代電池材料の開発、量産工程の品質管理などへの展開も見込んでいる。入手量が限られる高価な新材料の開発において特に有効と考えられ、試作回数・材料使用量・廃棄物の削減を通じた電池開発の効率化が期待されている。

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FabScene編集部

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