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曲がり具合を自分で測る柔らかい関節、MITと中国の大学が3Dプリントで一体成形

柔らかい関節が、自分がどう曲がっているかを知る。MIT CSAILと中国の天津大学、浙江大学の研究チームが、多材料のFFF方式3Dプリンターで、曲がり具合を測るセンサーを構造の中に一体で印刷する手法「X-Hinges」を発表した。論文はarXivで公開され、11月にデトロイトで開かれるACM UIST 2026で発表される。

これまでも柔らかいTPUの機構を印刷することはできたが、センサーを後から付けるには配線と接着剤が要り、そのぶん厚みが増して動きも変わっていた。X-Hingesはセンサーを印刷の工程に含める。

使うフィラメントは3種類ある。導電しないTPUが本体の柔らかい部分になり、電気を通しにくい導電TPUがセンサーの素子、通しやすい導電フィラメントが信号を運ぶ配線になる。センサー素子は伸びたりねじれたりすると抵抗値が変わる。配線側は抵抗が低いので、本体が曲がっても信号への影響が小さい。

1本の導電経路では、何かが変形したことは分かっても、横に曲がったのか、縦に曲がったのか、軸方向に縮んだのかが判別できない。研究チームは3つの動きに別々の配置を用意し、関節の両側に置いた素子の差を取る。両側に共通して出る成分は打ち消され、知りたい曲がりの成分が残る。ホイートストンブリッジと同じ考え方になる。

論文では、この配置と信号処理によって、目的の軸以外からの干渉を8.2%まで抑えたとしている。3自由度を統合した試作では、時間畳み込みネットワークで横方向の曲がりを平均絶対誤差7.35度、縦方向を6.59度、軸方向の変位を1.35mmで推定できた。

耐久試験では、1個の試料を2秒に1回の周期で42万回曲げ伸ばしした。233時間の試験後も目に見える破損はなく、抵抗値の平均は375〜395kΩの範囲に収まり、変動は5.5%未満だった。

設計にはRhinoとGrasshopper向けの支援ツールを用意した。形状を生成し、不要な動きを拘束し、適切なセンサー配置を挿入して、材料の割り当て情報を含む3MFファイルを書き出す。既存の3Dモデルにセンサー構造を後から足すこともできる。論文は、Prusa XL、Bambu H2D、Snapmaker U1といった一般向けの多材料機で動くとしている。

作って見せたのは、ロボットハンドを操作する手袋、シャチの形をしたゲームコントローラー、折り紙の構造で明るさを調節する照明、置いた物を見分ける触覚マットの4つになる。

課題も残る。印刷した部品だけでは動かず、電流を測る専用基板と、学習させた推定モデルが要る。印刷ごとに材料のロットや設定で抵抗値がばらつくため、研究チームは一緒に印刷したAprilTagのマーカーをカメラで読む較正手順を用意した。新しい形状の基準モデルを作るのに約8分、同じ形状の2個目は2分の較正で済むという。研究チームは、精度が要る用途では定期的に較正し直すことを勧めている。

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FabScene編集部

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