中国のInfiMakerは2026年6月10日、卓上で使える5軸CNC加工機「InfiMaker K1」を発表し、KickStarterでクラウドファンディングを始めた。これまで数十万ドル(数千万円)規模の産業用設備に限られていた5軸同時加工を、卓上サイズの1台にまとめたとしている。世界各地への出荷は2026年第3四半期(7〜9月)を見込む。
一般的な3軸のCNCは、複雑な形を削るたびに加工を止め、材料を付け替えて位置を合わせ直す必要がある。5軸同時加工では、刃物の向きを連続して変えられるため、多くの面や角度を一度の段取りで削れる。段取りの回数が減り、付け替えによる誤差も小さくなる。InfiMakerは、こうした産業用の加工能力を卓上に下ろした点を訴える。
K1は、繰り返し精度0.01mm、XYZの位置決め精度は±0.015mmをうたう。主軸は自社開発で、出力1500W、回転数は毎分2万回転だ。アルミや真鍮、銅、木材、アクリル、樹脂などに加え、鋼やチタンといった硬い金属も軽い切削なら削れるとしている。加工できる対象は、5軸で最大120×120×120mm、3軸で最大220×150×150mmとする。
工具は6本を自動で交換でき、荒削りから仕上げ、穴あけ、タップ、彫刻までを1回の運転で続けられる。中心位置を合わせるルビー製プローブも内蔵する。CAMソフト「InfiStudio」を自社で用意し、本体のタッチパネルやアプリから操作する。装飾品などでは、参考画像から3Dモデルを作るAI機能も使え、工具経路は自動で生成されるとしている。素材に付けたタグをカメラが読み取り、加工条件を自動で読み込む。
本体の重さは約110kg、動作音は社内試験で約70dBだったとする。InfiMakerは、出荷前に部品の調達体制と量産の検証を終えたとし、深圳の生産拠点で月3000台の生産能力を持つと説明する。市販のキットや3軸機では難しかった部品まで、卓上の1台で削れる点が、従来のデスクトップCNCとの違いだ。