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米テキサス大が頭に貼る超音波パッチを開発、28人でレム睡眠が平均16分長く

米テキサス大学オースティン校を中心とする研究チームが、頭に貼るだけでレム睡眠を延ばすパッチ型の装置を開発した。「NEUSLeeP」と名付けた装置は、脳の深部へ超音波を絞り込んで当てながら、同じパッチで脳波も記録する。28人が参加した実験では、眠り始めてからレム睡眠に入るまでの時間が平均43分短くなり、レム睡眠そのものは平均で約16分長くなった。手術も薬も使わない。

レム睡眠は感情の整理やストレスへの適応に関わる段階で、この時間が乱れることは、うつや不安、心的外傷後ストレス障害(PTSD)と結び付けられてきた。ただし脳を外から刺激する既存の手法は、脳の表面近くしか狙えない。経頭蓋電気刺激や経頭蓋磁気刺激(TMS)は狙いを絞る精度が足りず、狙った場所以外にも影響が出る。深部を正確に狙う手段は、頭蓋骨に穴を開けて電極を埋め込む脳深部刺激療法が中心で、手術を伴う。超音波を一点に集める集束超音波ならミリメートル単位で深部を狙えるものの、装置が大きく硬いため、一晩装着したまま眠る使い方には向かなかった。

研究チームは、こめかみの骨越しに視床下核を狙った。脳の中央付近にある小さな神経核で、皮膚から平均72.2mmの深さにある。超音波を出す部分は、同心円状のリングを8チャンネル並べた自作のアレイだ。リングごとに駆動のタイミングをずらすと焦点の深さが変わるため、参加者ごとに違う位置へ合わせられる。装置全体の重さは約103.4gに収まる。皮膚に貼る土台にはシリコーン系のエラストマーにポリエチレンイミンを混ぜた素材を使い、接着力は1cmあたり0.749Nに達した。8時間貼り続けても目立った赤みは出ていない。脳波の電極には自作のハイドロゲルを充て、6個の電極で市販の32チャンネル脳波計とほぼ同じ睡眠段階の判定ができたとする。

実験の参加者は、睡眠に問題のない16人と、軽い不眠のある12人だ。初日は超音波を出さない条件で、2日目に刺激を加える条件で眠ってもらった。刺激は音圧0.90MPaで、30秒ごとにオンとオフを繰り返す。データを解析できた26人では、睡眠時間に占めるレム睡眠の割合が16.3%から20.9%へ上がり、レム睡眠に入るまでの時間は177分から134.7分へ縮んだ。中途で目が覚めた回数と睡眠効率は変わらず、他の睡眠段階も動いていない。

刺激を加えた夜には心拍変動も上がった。自律神経がストレスに対応できている度合いを示す指標で、研究チームはこれを安全側の変化と見ている。翌朝に撮ったfMRIでは、感情に関わる脳の回路に変化が出た。研究チームは今後、PTSDやうつ、慢性的な不眠への応用を確かめるため、参加者を増やした試験を計画する。特許を出願済みで、大学の事業化部門であるDiscovery to Impactと製品化を検討している。成果は2026年6月4日、学術誌Nature Communicationsに掲載された。

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FabScene編集部

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