
通常のフライス盤は、手動クランクでリードスクリューを回す「手動式」か、プログラムで動く「CNC式」か、あるいは手動操作を補助するモーターを備えた「パワーアシスト式」のいずれかに分類される。SciFientist氏が製作したデスクトップミリングマシンはこれとは異なる構成で、手動クランク自体を持たずモーターのみで動く「ドライブバイワイヤ」方式を採用した。
自動車のドライブバイワイヤは、スロットルケーブルなどの機械的リンクを電子アクチュエーターに置き換える技術だ。同氏はこの概念をフライス盤に適用し、各軸のリードスクリューをステッパーモーターで動かす構成にした。制御にはCNCシールドを取り付けた「Arduino UNO Rev3」を使用し、ジョイスティックとボタンからのユーザー入力に応じてモーターを動かす。
本機の現バージョンにCNC自動加工の機能はなく、電子制御の手動フライス盤として機能する。同氏はv2で本格的なCNC加工への対応を計画している。フレームは3Dプリントで製作されており、工作機械の基準では剛性が不足するが、主な用途として想定するPCBミリングであれば十分だという。
ドライブバイワイヤ方式の利点として同氏が挙げるのは、手動クランクという機械的制約から設計を解放できる点だ。将来的に各軸に位置フィードバック(DRO相当)を加えれば、手動フライス盤の操作感を持ちながらコンパクトで安価、かつ設計制約の少ない機械に仕上がる可能性がある。

