羽田空港の手荷物搭降載をヒューマノイドが補助、JALとGMO AIRが実証へ

FabScene(ファブシーン)  Humanoid robot in a clean lab lifting a blue plastic bin near storage shelves with blue bins on the shelves.
画像出典元:Unitree / Youtube

日本航空(JAL)、JALグループの空港地上業務会社のJALグランドサービス(JGS)、GMOインターネットグループでAIとロボティクスの社会実装を担うGMO AI&ロボティクス商事(GMO AIR)の3社は、空港のグランドハンドリング業務にヒューマノイドロボットを活用する実証実験を、2026年5月から羽田空港で開始すると2026年4月27日に発表した。3社調べによれば、空港でのヒューマノイド活用は国内で初めて。実験期間は2028年までを予定する。

グランドハンドリングは、航空機の牽引、手荷物・貨物の搭降載、機内清掃などを担う業務だ。狭い駐機スペースでGSE(特殊車両)を扱うなど人手作業が前提のため、固定式の自動化設備や単一機能のロボットでは複雑な作業動線への対応が難しかった。3社は、人と同等の可動域と適応力を持つヒューマノイドであれば、現行の空港施設や機体構造を大幅に改修することなく既存環境に持ち込める点に着目した。将来的には手荷物の積み込みから機内清掃、GSEの操作まで、汎用的に使える可能性があるとする。

実験は中長期で段階的に進める。初期は空港現場の業務を可視化・分析し、ロボットが安全に作業できる領域を特定する。続いて実際の空港環境を想定した動作検証を重ね、最終的に人の作業を補完する形での運用を目指す。1951年創立のJGSは、空港現場の知見提供、業務要件の定義、安全基準への適合性評価を担う。GMO AIRはヒューマノイドロボット本体の提供と動作プログラムの開発・最適化を担当する。同社が運営する「ヒューマノイド派遣サービス」のノウハウや、2026年4月7日にオープンしたフィジカルAI研究開発拠点「GMOヒューマノイド・ラボ 渋谷ショーケース」も活用する。

GMO AIRが現在ヒューマノイド派遣サービスで取り扱うのは、Unitree G1、UBTECH Walker E、PM 01、BOOSTER K1の4機種だ。Unitree G1は身長130cm、重量35kg、29関節、3Dカメラと深度カメラを備えるコンパクトなモデルで、歩行速度は最大2m/s、連続稼働時間は約2時間。UBTECH Walker Eは身長172cm、重量73kgと等身大のヒューマノイドで、41関節、深度カメラ、6軸力覚センサーに加え、NVIDIA Orinベースの550 TOPSのコンピュート性能を内蔵し、ROS2に対応する。最大8時間の運用設計で、研究開発から産業利用まで幅広く想定されている。PM 01は身長138cm、重量40kgで、24関節と腰部320度の回転機構を備え、前宙といった動的な動作も自律的に行える。BOOSTER K1は身長95cm、重量19.5kgと小型で、深度カメラ・9軸IMU・6マイクアレイを搭載し、教育・研究現場やイベントデモを意識した構成となっている。空港のような実環境で求められる体格や稼働時間、センサー要件のうちどれが優先されるかは、今回の実証実験で見極めていく形になりそうだ。

背景には、インバウンド需要の拡大と生産年齢人口の減少が同時進行することで深刻化する、グランドハンドリングの人財不足がある。安全確保のため高度なスキルが求められる一方、身体的な負荷も大きい業務領域だ。GMOインターネットグループは2026年を「ヒューマノイド元年」と位置づけており、3社はこの実証実験を社会実装の重要な一歩としたいとしている。

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