携帯の電波が届かない山道でも、仲間の車がどこを走っているかを見失わないための仕組みが公開された。車ごとに小さな無線機を積み、2.4GHz帯、LoRa、携帯回線の3つを使い分けて互いの位置を送り合う。名前は日本語の「峠」を英字にした「Touge mesh」で、無線機のファームウェアはGPL-3.0でGitHubに公開されている。作ったのはMrBlahhhh氏である。
作者はサーキットに行かない日は、仲間と連れ立って郊外の曲がりくねった道を走っているという。大人数で走ると、はぐれた車を探したり、経路を共有したりするのが難しい。電波が届かない場所では地図アプリも使えない。既存のナビアプリでうまくいかなかった点を、一つずつつぶしたとしている。
無線機には、ESP32-S3とLoRaの無線を載せたHeltecの基板を使う。元になっているのは、LoRaでメッシュ網を組むオープンソースのファームウェア「Meshtastic」だ。作者はここに、ESP32の2.4GHz帯の無線で近くの車同士が直接やりとりする仕組みを加えた。
位置の送り方は3段構えになっている。近くの車とは2.4GHz帯で1秒ごとに位置を送り合う。届かない距離では、より遠くまで届くLoRaに切り替え、5秒ごとに送る。それでもつながらないときのために、各車は1分ごとに携帯回線でも位置を送り、誰かが道に迷っても見つけられるようにした。2.4GHz帯の位置は最大2台を中継して届き、中身は暗号化される。目標はメモリーの多いV4の基板で30台だという。
スマートフォンのアプリでは、走る経路を仲間と共有できる。作者のサーバーは、速さよりカーブの多さを優先した経路も作る。アプリは無料で、近くアプリストアに出す予定だ。作者は、サーバーの費用がかさまない限り無料を続けるとしている。無線機を通じた音声通話はまだ開発中で、バイク用のインカムのような使い方を目指している。
日本で使う場合は注意が要る。LoRaの周波数は国や地域で異なり、日本国内で電波を出すには技適を取得した機器が必要になる。