工学社は2026年7月27日、Raspberry Piを使った自作防犯システムの解説書「作りながら知識と技術が身につく!電子工作×防犯入門」を発売した。I/O編集部編、A5判160ページ、価格は2970円(本体2700円)。電子版も同時に販売する。
内容は、Raspberry Piと人感センサー、カメラを組み合わせた監視システムの製作を軸に構成する。カメラ映像をスマートフォンから確認する手順、人感センサーが反応したときだけ撮影して画像を自動送信する仕組み、OpenCVを使った顔検出や物体検出まで扱う。ナイフを検出したらGmailで通知する例も収録した。
自作ならではの課題にも章を割いている。玄関先でUSB電源をどう確保するか、屋外にWi-Fiをどう届かせるかという2点は、屋内の工作では出てこない問題だ。前者ではPoE配線からUSB電源を取り出す方法を、後者では屋外用アクセスポイントの選び方とPoEエクステンダーの使い方を、具体的な製品名を挙げながら解説する。宅配ボックスへの投函検知では、高気密高断熱の住宅で電波が通りにくくなる問題とその対処にも触れる。
構成上の特徴は、製作手順の前後に設計と運用の話を置いた点にある。冒頭では要件定義を扱い、自作防犯で最低限考えるべき4つの要件を示したうえで、「通知が来ればOK」と割り切る考え方を提案する。終盤では警備会社の通知の仕組みを参考に、冗長化すべき3つの要素を挙げる。
最終章は失敗例を6つ並べた。誤検知が多すぎて誰も通知を見なくなる、通知が多すぎて家族に嫌われる、スマートフォン1台に依存して行き詰まる、便利機能を盛り込みすぎて壊れる、電源と回線を信用しすぎる、最初から完璧を目指す。いずれも作った後に直面する類の問題で、着手前に読める形にまとめている。
そのほか、鍵の閉め忘れを確認するシステムの製作、Raspberry Piへの安全な遠隔接続(SSH)の設定手順、Home Assistantを使った通知の設計も収録する。執筆はderuta1992氏、そぞら氏、あっきぃ氏、tan^2@氏、電気系DIY、MDGが担当した。